刻に抗いしモノ
□行きたいところ
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黒尾は一つ溜息を付く
「どうしたの?」
「本当にMBIの御中じゃねぇかよ」
「うん、まぁ」
「それに・・・」
「それに・・・?」
俯く黒尾
何か言いにくそうに眼を泳がせている
もう一度溜息を付くと私を見た
「お前本当にセキレイって奴で後6日って寿命の事だったのかよ」
「え、」
何で黒尾が
いや、原因なんかわかってる
「御中喋った?」
「御中喋った」
次会ったら血祭りにしてやる・・・(
「・・・まぁ、そうだよ。いろいろあってね」
「いろいろって・・・?」
黒尾が興味津々に私に聞いてくる
「全部知りたい?その覚悟ある?また追っ手に襲われるかもしれないんだよ?」
きつく言い放つ
なるべく、黒尾には危険な目にあわせたくない
「知りたい。
お前の事が心配だし、気になって夜も眠れなくなりそうだしな」
その眼には強い意志があった
痛い
また、胸が苦しい
優しい目とはまた違う強い目
このままじゃ離れられなくなる