DQW本編(短編・SS)

□You by my side
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あれ?
私、寝ちゃったんだ。

クリフトも寝ちゃってる。
繋がれたままの手。
ちょっと節くれだって
お城にいた頃にはなかったマメがある。

「クリフト?」
呼びかけてみるけど、反応はない。
……そう、だよね。
疲れてるよね。

またやっちゃった。
いつも私は、甘え過ぎてしまう。

乳兄妹だからとか、主従とか、
あなたはそういう理由で
私のそばにいるのかもしれないけれど。
私にとって、あなたは大切な、
ただひとりの家族のようなもの。
……ともちょっと違うような。
なんだろ。
よく分からない。
でも、ずっと一緒にいたい。
ずっと一緒にいて欲しい。

スタンシアラ城の食堂のおばさんは、サントハイムは魔物に奪われたとか、なんかそんなことを言った。
ショックすぎてうろ覚えだけど。
そして
「お気を確かに!」
あなたはそう言った。
そう、しっかりしなきゃ。
私がぐらつきそうな時に、いつもあなたは支えてくれる。
今日も。
ううん、
今日だけじゃなくて、いつも。

あなたは私を「甘えさせて」くれるけれど
「甘やかして」はくれない。
それが私には、嬉しい。

本当なら今すぐ起きて、自分の部屋へ戻らなきゃいけないんだろうけど
今日だけ。
まだ、しばらく。

次、目が覚めたら
部屋へ戻るから。

もう少しだけ。
このままで
このままで、いさせてください。

ごめんね、
おやすみなさい。
クリフト。

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