パトレイバー小説

□Dear my friend
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A
「友達でしょ? 相談くらい乗ってあげたかったし、相談して欲しかった」
野明はそう言った。
野明が本当に「友達」なら。
もしかしたら相談もしたし、隠すこともなかっただろう。
でも、それは俺には、到底出来ないことだった。
「こんなあたしじゃ、頼りにならないことは重々承知だけどさ」
……違う。
そうじゃないんだ。
そうじゃないんだよ、野明。
「吐き出すだけでも楽になるってこと、あるじゃないか」
分かってる。それこそ重々承知だ。
でも、俺は。
お前にだけは、それはしたくなかったんだ。

なあ。
お前だけは、ダメなんだ。
側にいて欲しいけど、
「友達」なんて、嫌なんだよ。
なあ、野明。
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