四天宝寺

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名無が東亰から四天宝寺中学校へ来て二ヶ月が経った。


大阪での生活にも慣れてきよったようで、大阪弁もたまに出てしまうほどやった。



「ほんでな、金ちゃん何持って来よったと思う?」



『えっなになに』



「ルーズリーフ!!」



『なんでやーっ!』



「ひぃ、お、俺…シーブリーズ持ってきって言った、んよ…」



『っ〜!金ちゃんさすがすぎぃ!』





となりで爆笑している名無と謙也。
今日も授業が全部終わり、部活に行く途中やった。
二人は意気投合したようで、毎日楽しそうに会話しよった。
そういう俺は、全然まともに名無と話せんでいた。
二人は会話に入れようとしてくれるんやけど、混ざるのはそのときくらいやった。
二人の間になかなか入っていけるような気もおこらんくて、それに最近謙也を見ていると不思議な気持ちになる。


嫌いとかやないんやけど、もやもやするというか…。




「俺、部活前に財前に話あるから、二人先行ってな」



そう言うと、謙也は二年の教室へと走っていった。




『わかった!あとでね〜』



「部活で話すんはだめなんかな」



『実はね、さっき話してたんだけど
小春ちゃんとユウジくんの誕生日もう少しだから
サプライズしようってなったの!』




正直、企画に驚いたというよりも、俺の知らない間に二人がそんな話をしていたことに驚いた。
と、同時に先ほどのもやもやが増した気がした。


楽しそうにサプライズの内容を話す名無を横に、俺はうまく笑えんかった。

どうやら今日話しになったらしく、謙也は財前に、名無は俺に説明しとくという事になったらしい。



『どうかな?』


「ええやん。来週楽しみやな」


『うん!』




そういうと、名無は文字通りるんるんになって歩いていた。
そんな彼女をみて、気付いた。


最近俺は、嫉妬しているらしい。

もっと名無と話したいのに…。




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