short 2


□ほんの一瞬
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予定が合ったときだけ二人の時間を作る。簡単な食事をとって、ホテルで身体を重ねる。名前をつけるとしたらセフレ。それくらいが心地よかった。


彼氏なんてものに縛られるのも仕事の都合上よろしくないし、女として扱われたい気持ちだって無くしたわけじゃない。


だからこの関係はすごくありがたかった。




「……門倉さん、もっ……いいからっ!」

「今日はじっくりやりたい気分やから。」


執拗な愛撫に感じすぎた身体を冷ますように深呼吸した。いつものように、ホテルへ雪崩れ込んで数回キスをして、少しの愛撫後挿入。的確に弱いところを突かれて私が果てたら頃合いを見て、門倉さんも果てる。


そんな単純なセックスに慣れていたはずなのに、まるで恋人同士が愛を確かめ会うようなキスから始まった行為に戸惑いを隠せなかった。


「もう、いれて。」

「ん……もうちょい。」


ねっとりと胸を舐めあげた彼のざらついた舌に思わず声をあげる。


「ふっ……んぁっ!」

「胸、弱いん?」

「別に……普通です……ぁ!」

「ふぅん、気持ち良さそうやけど。」


ゆるゆると入り口をなぞる指先にも過剰に反応してしまう。そんな私に機嫌を良くした彼の頭が下へ下へと降りていくので、思わず頭を掴んでしまった。


「待って!だめ!」

「……何で?」

「そんなこと今までしなかった!」

「今日はする。」

「やだやだやだ!……あぁ!」


ゆっくり舐められ、ゆるく吸われて抑えきれない甘い声が部屋に響いた。


「……も、お願い。いれて。」

「はっ!可愛いのぉ。」


思わず漏れた懇願の声に唇を吊り上げた門倉さんの濡れた視線にお腹の奥がきゅんとした。


ちゅっと口付けられると同時に襲ってきた圧迫感に、目の前の逞しい身体にしがみついた。


恥ずかしいくらい響く自分の声と、くらくらするような甘い痺れに、意識が朦朧としてきたときに囁かれた言葉。


「名前、そろそろ身体だけは終わりにして、ワシのもんならん?」


返事するより前に激しく揺さぶられ、強く抱き締められた。



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