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□仏の顔も三度までですよ。
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アズラの砦を落とす為に梶達がチームを組んで作戦を立てているのを傍に立って聞いていると、名前が梶に自分も連れていけと頼んでいるのが耳に入った。


「いや、でも名前さんが参加するのは…門倉さんに聞いてみないと。」


前回の件から随分気を使う様になった梶が此方を見遣るのを無表情に眺めて問題の彼女を見た。


「門倉さん、いいですか?私、何もせずに付き添いだけって約束しますから!」


此方へ駆け寄り両手を掴んで覗き込みながら訊ねてくる名前に、どうせ止めても何とかして来るのだろうし、ここで嘘喰いと留守番させるのも心配だと仕方なしに


「余計なことはしないように。」


釘を指して許可する。ありがとうございます!大好きです!と抱き付いてくる彼女の頭を撫でていると聞こえた、いいなと言う声に、そちらを向くと梶達が羨ましそうに此方を見ていた。


ふん、こんなアホでもワシのや。おどれらに扱いきれる女やないわ。


見せつけようと押し付けられている頭に顔を近付け口付けたところで腕からすり抜けていく彼女。


「そうと決まれば着替えてきますね!実は貘から貰ったお小遣いを少しずつ貯めて買った女戦士のイミテーションのお披露目の機会を待っていたのです!」


唖然とする男達を置いて着替えに行った彼女が戻ってきたとき、忘れかけていた頭痛が襲ってくる。


前より露出が酷くなっとるんやけど。これやったらどっかの娼婦と間違えられるじゃろ。


梶達も目のやり場に困りオロオロしているが名前は張り切って行きましょー!と先陣を切って歩き出す。慌てて着いていく男達の後を、この先を心配して酷くなる頭痛に耐えながら自身も彼女を追いかけた。




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