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□Halloween!
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「…何やってるんだ小娘。」
「やだ!丈一さん、ハロウィンですよ!trick or treat!?」
「…ほら。」
「何だ。知ってるんじゃないですかー!ありがとうございます。」
何てやり取りをしながら賭郎本部内を歩く名前の格好は普段のスーツ姿ではなく、ミニスカートの魔女の様な服装。普段は見えない脚や胸元にチラリと視線を送る夜行掃除人だったが、本人は気付いていないらしく可愛いですか?最上立会人から頂いた衣装です何て上機嫌でスカートをひらひらさせている。
そして名前は呆れたような反応をしつつもお菓子を用意してくれていた上司である夜行掃除人との会話もそこそこに目的の人物を探すために各階を回り始めた。
「…あ!弥鱈立会人ー!」
めんどくさそうに歩く弥鱈立会人を見つけて駆け寄ると盛大な溜息とともに振り向かれる。
「名字掃除人、そんなに魅力的な格好をしていると誰かさんが怒るのでは?」
何てぶつぶつと文句を言いながらもチョコレートを1つ差し出され、
まだ台詞言ってないのに、と文句を言うより先に背中を向けられてしまったので黙って見送る事にした。
それから何人かの立会人や黒服さんとすれ違ってはお菓子を貰いながら漸く目的の門倉を見つけて笑顔で駆け寄る名前。
門倉さん!と名前を呼びながら向かってくる名前を見た門倉が目を見開くのを不思議そうに見ながら、
「trick or treat!門倉さんと会うまでにこんなにお菓子貰っちゃいましたー!」
さっきまでに貰ったお菓子を見せるが門倉は何やら良くない事を考えていそうな顔。
「…名前さん、その格好で色々な人達にお菓子を貰ってまわったのですか?」
名前へと迫る。
あれ、やばいかも。と名前が思うより早く
「生憎、お菓子は持ち合わせておりませんので悪戯を謹んでお受け致します。」
口許を歪めて笑う門倉との距離20センチ。
「…いや、あの、お菓子無いなら他を…」
「いいえ、名前さん。貴方今さっきtrick or treat!と仰いましたよね?…そして私はお菓子を持っていなかった。つまり、貴方から悪戯される立場にありますのでどうぞご遠慮なく。」
壁際に追い詰め顔の横に手を置き逃げ場を防いだ上、クスクス笑いながら反対の手で名前の頬を撫でる門倉。そんな門倉の頬に顔を真っ赤にした名前がそっとキスを落とす。
「なんや、口にせんかい。それとそんな格好他の奴らに見せびらかしたことどう落とし前つける気じゃ?」
そう言う門倉に更に顔を赤くさせていると耳元で
「…trick or treat、お菓子じゃなくて名前からのキスでええよ。」
囁きながら抱き上げられた。
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