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□彼の悩み
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ある日の賭郎内でのこと。



「OK!たまにはみんなで飲みに行こうじゃないか!」



と立会人の一人が言い出したのがきっかけにその場にいたメンバーのなかで後に立ち会いが控えてないもの達が飲みに行くことになったのだった。




参加者は…言い出しっぺの銅寺と銅寺に誘われた弥鱈。帰ろうとしていたところをこれまた銅寺に捕まった南方、南方に誘われた門倉の4人だ。



若干1人が

「私、ヤンキー嫌いなんですよぉ。 」


例の風船を飛ばしていたが張り切っている銅寺はそんな文句を無視して颯爽と店に入っていった。



「OK!今日は実はみんなの恋愛事情を聞きたくてさ!」


切り出した銅寺に


「私は恋愛には今のところ興味ありません。」

素早く答える弥鱈。


「あれだな、恋愛と言えばお前門倉。可愛い彼女おったじゃろ?」


南方が門倉に視線を送ると


「何故貴方達に私の交際相手の話をしなければならないのですか。」


仕事モードを崩さない門倉だったが


弥鱈がふと、

「私、門倉立会人の彼女と昨日お会いしましたよ。なんと言うか、幼さの残る可憐なイメージの方ですね。」

呟いた。




「お!弥鱈立会人は門倉立会人の彼女見たことあるの!?血が似合いそうだった!?」


1人興奮する銅寺を放って門倉は弥鱈に詰め寄る。


「弥鱈立会人、どうして私の交際相手だと?」


「本人がそう仰っていましたよ。」



気だるげに答える弥鱈に、追い討ちをかけるかのように



「会話したのですね?(あいつ、他の男と気軽に話すな言うとるのに!)何故です?」



「本部近くをうろついていたものですから、不審者かと思い声をかけただけです。ですが、門倉立会人の彼女があんなに純粋そうな女性だとは…ぷっ」



「…おい、門倉青筋立っとるよ。まあみんな飲もうや!」


南方が空気を読みみんなにお酒を勧める。


弥鱈を睨む門倉を除けばそれなりに和気あいあいと食事が進み、立会人達もほろ酔いになってきた頃


「OK!さっきの話の続きだけどね、門倉立会人!可憐な彼女がどーしたって?」


楽しそうに聞く銅寺に珍しく酔っていた門倉が答えた。


「名前か。あいつは可愛ええやつなんよ。…ただ、もう付き合って2年も経つのにいつまでも恥ずかしがって色々させてくれん。そこだけが不満じゃ。」


「お前!こっちが恥ずかしいわ!」


なんて言う南方を弥鱈は無視して



「遠慮せずに押しきってしまえばいいんじゃないですか?ヤンキーなんですから。門倉立会人も彼女には弱いのですか。」


いやらしい笑みを浮かべて門倉を煽る。



「(この餓鬼ァ!)それが出来たら苦労はせん。名前が恥ずかしいって顔赤くして言うてくるんよ。その顔に弱くて格好つけて我慢の日々や。やけど、そろそろこっちも限界なんよ。」


ここまできたら面白い。


なんせ普段お堅い門倉が酔って弱音を溢している上にその内容が彼女の前で格好つけて紳士ぶった挙げ句、その紳士面を崩せず悩んでいるというものだ。


各々がアドバイスという名のからかいを好き勝手に門倉にぶつける。


門倉はそんな3人の言葉を上の空に聞き流しながら



名前との恋人タイムについて思い更けるのであった。



いつか、めちゃめちゃに泣かせたる。



それまでは我慢の日々が続くことにため息をつきながら



いまだに人の彼女との諸事情についてで盛り上がる3人を置いて、彼女の待つ家へと急いで帰る門倉だった。



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