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□意外と大胆なのはお互い様です
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「門倉立会人、貴方のここでの専属会員……梶様でしたっけ?」
「仰る通りですが、苗字掃除人。それが如何なさいました?」
「彼、何だかソソる。」
「……は?貴女前も違う会員のことそう仰ってませんでした?」
門倉が見つめるのは、彼の想い人である名前。見つめられた本人は卍内での門倉の専属の梶を見つめているので、その視線には気付かない。
「そもそも何故苗字掃除人が入卍しているのですか?」
「こんな面白そうな現場、もう2度とないかもしれないので判事に頼みました。」
「それで?」
イラつきを隠そうともせずに彼女に質問した門倉は、判事が彼女の頼みに応えたことを不思議に思いながらも先を促した。
「駄目だと言っても行くのでしょうから、不法入卍者の粛清及び取り立て業務の補佐として入卍を認める、と。」
「はぁ、そうでしたか。それで梶様と見識はおありで?」
「いいえ、さっき初めてご挨拶をさせて頂いて……何て言うか、純粋そうな所がなんとも!」
「言っておきますが苗字掃除人、梶様は斑目様のものですよ。」
ため息混じりに門倉が告げた言葉に目を見開いた名前は、彼に詰め寄り興奮した様子で問い質した。
「それってつまり……お二人はそういう関係にある、と?」
「さあ、そこまでは私には図りかねますが……特別な間柄、ということに間違いはないでしょうね。」
「そうですかぁ、じゃあこの気持ちどうしましょう。」
「そもそも貴女、梶様のことそれほど好きではないでしょう?」
「……バレました?」
何を考えているかわからない名前を横目に、非日常的なプロトポロスの雰囲気が少しばかり門倉を大胆にさせたのか、ふっと口許を上げた後彼女の肩に触れ、普段よりも色のこもった声で囁いた。
「何なら、私がお相手しましょうか?」
「……門倉立会人、私相手にそそります?」
「貴女でないとそそりません。」
「それって。」
「どう解釈して頂いても結構、で?どうします?」
「前から門倉立会人のことは、ソソると思ってたんです。」
「それは結構。でも今夜お相手して頂くって事は、今日以降他の男にソソるなどは厳禁になりますよ。」
再び"それって"と言おうと開いた口をキスで塞いで、「好きです。」と囁く門倉の耳元で笑った彼女は「知ってます。」と囁き返した。
驚きを隠せない門倉に、もう一度笑った名前は続ける。
「門倉立会人が嫉妬してくれるのが嬉しくて……私も好きです。」
妬かせた分だけ返しちゃるから覚悟しろと呟いて名前を抱き締めた。
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