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□勘違い? 勘違いさせたのは誰でしたっけ
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仮眠室での一件から避けられている。あのあと、入ってきた門倉立会人に勘違いされ殴り飛ばされそうになったところを彼女が「大丈夫です!無理矢理じゃないです。」と止めたときのあの男の顔。思い出すだけでも……いや、問題は彼女に避けられている事だ。
きちんと告白までしてキスもしたのに、この避け様はやはり傷付く。
今日こそはっきりさせてやると目的の人物を待つこと数時間。スキップしながら本部から出てきた彼女の前に立つと絵にかいたように青ざめ固まる姿に舌打ちをする。
「どうして避けるんですかぁ?傷付くんですけど。」
一歩ずつ距離を縮めて、後退る彼女を追い詰める。
「や、何て言うか。ちゃんみだもほら!あのときは疲れてたから気の迷いって言うか…勘違いだよ!そう!疲れがピークに達すると性欲が上がるって聞いたことあるし…」
「いえ、私に限って勘違いなんてそんな事は有り得ません。ましてや気の迷いなど…可笑しすぎて笑ってしまいそうです。」
あーとかうーとか言って困っている彼女にまた少し近づく。自然と上目遣いに見つめてくる彼女の頬を指でなぞると慌てたように唇を手で覆うので、ふっと笑ったが、それが気に入らなかったのか虚勢を張るように吠えてくる。
「ちゃんみだがこないだあんなことしたから!」
警戒するのはいいことです。ぼそりと漏らしてから彼女を抱き締めると強張る細い肩。
「あんなことってどんなことです?」
「……それは、ちゃんみだが、いきなり、その……………キスしてきたこと!」
ばか!そう言って胸を押す彼女にくすりと笑って囁いた。
「貴女も大して抵抗しませんでしたよね?脈があると思ったのは私だけですか?」
最早何の説得力も感じさせないほど顔を赤くさせた彼女が、勘違いなんだからと何度も呟いたところで本来の意味には聞こえなかった。
勘違い? 勘違いさせたのは誰でしたっけ
続き………
下心のない男なんていると思ってたんですか?.