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□誘っているように見えたので、つい。
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彼女の気が変わらないうちにと、先程取った部屋へと向かい中に入った所でまだ涙の跡が残る頬を撫でる。



「ごめんなさい…さっきのは忘れて下さい。ちょっと飲み過ぎちゃったみたいで」



泣いたことへの謝罪か、最後に聞こえた言葉にか、どちらとも取れる台詞にお気になさらずと返してソファへと座らせた。



「落ち着きましたか?」



少し間を置いて声を掛けると、はいと笑顔で答える彼女と距離を詰めてじっと見つめる。



「あの、門倉さん、何ですか?」



恥ずかしそうに俯く様子にくつりと笑い再び彼女の頬を撫でて耳元へ顔を寄せた。




「泣き顔よりも笑顔の方がずっと魅力的ですね、名前さん。」



そう言って紅く塗られた唇を親指でなぞると反射的に薄く開いたそこに自らのものをそっと重ねて彼女を見ればきつく閉じられた瞼。押される肩に力を込めて離れようと腰を引く彼女を抱き寄せる。



「かどっ…さん、まって…」




唇を少し離したときに聞こえた吐息混じりの声に、待てるわけがないと心中で呟き今度は深く舌を差し入れる。




肩を押す手の力が弱まり、不安げに添えられたのを掴んで指を絡めると握り返されたことに喉を鳴らす。



ソファに投げ出された脚を撫で上げたところでもう一度待ってと呟かれた。




「…だめですか?」




ここまできてやめるつもりも更々ないが懇願するように彼女を覗き込むと、上気した頬に潤んだ瞳で、呼吸も整えずにダメですと言う口をもう一度塞いだ。




駄目だと言う癖に此方からのキスに応えるようにしがみつく彼女に嘘つきですねと囁いて何度も何度も唇を寄せては離す。




暫くの間そうしていると、頚に腕を回して、ダメだって言ったのにと漏らす彼女に




誘っているように見えたので、つい。



そう答えて、抱き上げるとベッドルームに向かった。



続き………好きなんです貴方のことが。だから、いいですよね?



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