ダメプリ夢小説
□リュゼと会食
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カチャカチャ
私とリュゼ皇子は美しく盛り付けされたディナーのフルコースをナイフとフォークで頂いた。
私も厳しく食事のマナーは躾けられた方だけど、リュゼ皇子の箸使いならぬフォーク、ナイフ使いはとても洗練されていて、一緒に食べるということが少し恥ずかしいような気がした。
「…トモダチというのは、きっとこうして一緒に食事をとるのでしょうね」
「うーん、それもあるけど、一緒にいろんなところに遊びに行ったりもするよ!」
「私が読んだ書物の中では、どうやら他に、一緒にボートに乗ったり、ブランコに乗ったり、ピクニックに行ったりするようです。それはイナコでも同じですか?」
「イナコにはあんまり遊ぶところがないから、友達と(テオと)ピクニックに行ったことならあるかな。もちろん母様も父様も一緒に」
私の話を聞いたリュゼ皇子は驚いて目を丸くした
「一緒に!?」
「…はい、家族みんなでピクニック行くぞーって感じで行ったことありますよ」
「アニ姫と、トモダチと、2人だけではないのですか?」
「確かに2人だけで山で遊ぶこともあったけど、要は山菜採りだったし…もしかしたら私って友達と2人で遊ぶってことはあんまりしたことがないのかも」
「そうなんですね」
リュゼは少し嬉しそうだった。
「…私がアニ姫の初めての相手になれるということですね!」
「え?……あ、確かに、2人っきりでボートなんてなると初めてかもしれません…ていうか…」
「はい?」
「リュゼ皇子の考えている事って、もしかして…デ、デートに近いのかな?」
「でぇと?あ、はい、書物にも、デートと書かれていたかと思います。」
「リュゼ皇子!デートは、好きな人とすることなんですよ!私なんかと…」
「ダメですか?」
「ダメとかそういうことじゃなくて、皇子として、他国の姫と簡単にデートして大丈夫なのかなって」
「…アニ姫となら、いいと思っていますよ」
リュゼ皇子はまっすぐ私を見つめて言い切った。
私は顔が熱くなるのを感じた。
クロムの嫌な舌打ちが聞こえたような気がした。