第3段階:導入・序盤編…取引開始

◆最初は小口の注文である。約束通り現金で支払う。こういう2回・3回と仕入れを繰り返し、確実に現金で払ってすっかり相手が信用した頃を見計らって、パクリ屋は大口の注文を出した。

◆いよいよ出撃だ。どのようにしてカモに嘘の話を信用させるか。何よりも説得力があるのは、最初はまともな取引をやることだ。

◆人は最初警戒するものである。その警戒心がある間はまともにやっていく。パクリ屋が「うちは現金取引です」と言って、実際に現金で支払ってみせるのはそこを狙っているのである。そうすると次第にカモは信用してくる。

◆最初はいい思いをさせてカモを信用させる。「カモの信用を勝ち取れ」という定石もこの部類に入るだろう。

◆支店長を接待するなどして信用を深めると、次に「仕事」に取りかかる。

◆ここにも鷺の極意がある。もしOさんが誰かに相談したら、すぐ嘘だとばれるだろう。だから誰にも相談しないようクギをさしたのである。
「カモを孤立させよ」
孤立させられたカモを料理するのは簡単なのである。
 
◆最初は2400万円の保証金では高すぎると思ったが、すでに1200万円は振り込んでいる。すると不思議なもので、当初は高いと思っていたことも忘れて要求されるままに支払ってしまう。

最初の1歩を踏み出すと、2歩目、3歩目はもっと楽になる。だから鷺師にとって大事な定石は、最初のハードルを低くして相手が乗りやすくすることだ。

「最初のハードルを低くせよ」これも鷺の鉄則だ。
 

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