〇アルジャーノンに花束を(檜柳)

□勝手に決めんな2
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男にナンパされたところを助けられ

突然の「好き」という檜山の告白から数日後。

告白された翌日から、自分の気持ちに気づいてしまった柳川。

まともに目も合わせられず、何となく接し方がぎこちなくなっていた。

一方の檜山は、何故だろう。

いつもと変わらずだ。

そんな檜山に、配達する花をつくる最中柳川は心の中でボヤいていた。


柳川(ふざけんなよ何だよ、檜山のやつ…。
何でもないような顔しやがって…。)


檜山「柳川。」

柳川「は?あ、あぁ何?」

檜山「何ってお前、これから配達だろ?
忘れてたのか?」


言われホワイトボードを確認すると、運がいいのか悪いのか。

いや、今は悪いほうだろう。

その配達は、檜山とペアになっていた。

が、今の柳川の気持ちではいつものように行ける自信はない。



柳川「あっ、痛い、あいたたたたたぁ〜〜。」


柳川は、いかにも見え見えな芝居でお腹をおさえしゃがみこんだ。


檜山「おい、柳川。」

柳川「悪い檜山くん。
俺ちょっと、腹、腹痛いから配達無理だわぁ〜。

ちょっと休んでくる。」

檜山「おい、柳川!」


柳川は逃げるように、寮に戻っていってしまった。
















柳川は、寮のソファーに座り込み心の中は最悪だ。

帽子を取りため息をついた。


柳川「はぁ〜〜、何やってんだよ俺ぇ。

絶対、おかしいと思ったよな…あいつ。」


自分の不自然な行動に後悔する柳川の心臓は、ドキドキしっぱなしだった。


柳川「やっぱ、このままって訳には…いかないよなぁ。」


柳川の心中は、複雑だ。




檜山に「好きだ」って言われた次の日から

俺の気づきたくなかった気持ちは、嫌だ嫌だと思ってても勝手に気づかせてくれやがる。

きっと、それは少し前からあった気持ちだ。

そんな自分に気づく勇気も、言い出す勇気もなかった。

なのに、あいつは……。


柳川「…どうすんだよ、俺。」
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