EXO

□溺れる魚
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煩い両親も、俺を虐めるあの兄弟達も。

皆煩いんだ。

静かにしてくれ。

俺は物凄く眠いんだ。



なんだか急に目が覚めてがばりと起きればそこは知らない部屋のベッドだった。

見慣れない天井には豪華なシャンデリア。

「お目覚めでございますか?シウミン様。」

そう言われて俺はは?っと返事をしないまま目の前の男を見つめる。

身長が大きくびしりと綺麗に着こなしている燕尾服。
片手には布巾を手に下げている。

「シウミン様?まだ、体調がそぐわないのですか?」

「……いや、俺は……」

(シウミンじゃない)

そう言おうとしたんだ。

けれど彼の俺を心配する瞳がなんだか嬉しくてその言葉を飲み込んでしまったのだ。

「では、これが処方させているお薬です。」

高熱を出して本当に心配しましたよ。その言葉が嬉しくて俺はふふっと笑うと彼はとても驚いていた。

「シウミン様…………?」

「笑っちゃ……ダメだった?」

途端に俺はしょんぼりする。ここも前の場所と変わらないのかと思ったから。

「いいえ、シウミン様が初めて笑いかけて下さったもので。」

そう言って笑う彼に俺はなんでだか胸が苦しくなった。

「シウミン様の笑顔はとても素敵です。」

その言葉を聞いてなんだか幸せな気持ちになれた。

あんなに窮屈に感じた人生がたった一言こう言われてるだけでも見方が変わるのだから。
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