今日は成人の日。ふと気が付いたら時は2017年を迎え、お姉ちゃんが亡くなってから7年という月日が経過してしまいました。例え「死ぬこと」が望みであっても「卒業までは生きるべき」と、お姉ちゃんの変化に気づけず強引にでも自殺から救い守ってあげられなかったこと。今でもそんな自分の無力さが図々しくも悔やまれてなりません。

お姉ちゃんと幼少期から交わしてきた全ての会話が今日も鮮明に蘇ります。惜しみない優しさと、誰かを想う心からの精一杯な笑顔をありがとう。思い出すだけで涙を留められません。

「テレビの向こう側と私達は違う星の人間みたい」この言葉が全ての始まりだったね。「普通のこと周囲と同等ごく一般的なことをしていたらいつまでもこのままで人生終わる」それが口癖だった。ただでさえ貧しくて生活にいっぱいいっぱいな両親を激しく責めてしまうようなこともありましたね。誰よりも貧しさに酷く執着していたのはお姉ちゃんでした。

自分が専門学校の特待生試験に合格して授業料免除が確定した時、誰よりも大はしゃぎして喜んでくれたのはお姉ちゃんだった。高校から音楽の世界という本来ならば道楽者にしか携わることが許されないような世界に「やってみればいいじゃん!ビッグになるの楽しみにしてるよ」って一生懸命働きながら自らを犠牲にして夢を応援してくれましたね。

なのに裏切って本当にごめんね。不器用すぎる自分は愛嬌社会と言っても過言ではない音楽の世界では生きていけなかった。偉い立場の誰かに一瞬でも嫌われたらそれが瞬く間に噂が広がり集団から干されるというような世界で生きていける自信はなかった。あれだけ応援してくれたのに。迷惑かけたのに。それでもお姉ちゃんは「次の道探せばいいじゃん」って言ってくれましたね。


学校を卒業してから何をやったらいいかもわからずバイトを転々とし続ける自分は、「高いステージに行きたい」と心底願うお姉ちゃんの足をいつまでも引っ張り続けてしまった。もし自分が徹底して何か一つのことに打ち込め骨身を削れる人間であれば、もし何かに関心を抱き喜びや楽しみを味わえる人間であれば、お姉ちゃんが苦しみを隠した「その笑顔」を本気で食い止めようと行動に移せた人間であったなら、(株)という仕事になど手を出させずに済んだかもしれない。

外で働くことを辞め部屋からほとんど出てこなくなったお姉ちゃんが携わっていることに自分は自分の事で毎日が必死な為にあまりにも鈍感で無知過ぎた。自分という人間の一番の理解者であるお姉ちゃんの苦しみを理解するどころかその苦しみに追い打ちをかけることばかりしていたはずだ。(株)で多少は経済的に自由になれたとしても高いステージを望むあまり生活自体が不自由になり過ぎていたお姉ちゃんに対して、どうして「もっと気楽に行こうよ」って言ってやれなかったんだろう。
本人が決して一番言われたくないであろう心のポリシーに強引に踏み込んでまでも、例えそれが嘘でも強がりでも余計なお世話でも、「俺だけはこれ以上お姉ちゃんに負担を掛けないように頑張るから部屋から出ておいで」って言っていればあんなことにはならなかったもしれない。わからない。所詮こんな家族だからこそ、自分が何を言っても余計に傷つけただけかもしれない。


この世で自分のたった一人の理解者である大切なお姉ちゃんを自分が殺してしまったようなものだ。いくら悔やんでもあの時をやり直したくても、お姉ちゃんはもう戻ってこない。きっとお姉ちゃんは「自分は誰かを助けるばかりで、自分のことを助けてくれる人は誰もいない」ってこの家族を心底憎んで最後にその心情を訴えながら死んで逝ったはず。少なくとも自分はそう受け取りました。



人は、そう沢山のポリシーを持ちながら生きていくことは不可能だと思います。ポリシーが人を不自由な殻に閉じ込めようとするからです。自分が持つポリシーはかつて3つありました。でも現在は2つです。
「パソコンを使わずに生きていく」「父親を反面教師にする」「中退ではなく卒業を目指して生きる」。
お姉ちゃんが亡くなって「パソコンを使わずに生きていく」というポリシーはどうでもよくなり消えてしまいました。何故だかはわかりません。それにポーカーフェイスができるようになりました。これも何故だかはわかりません。お姉ちゃんが常に自分に見せていた辛さや苦しみを上手に隠す決して八方美人的ではない「嫌味のない笑顔」をその都度思い出していたら、社会でもそんな自分を今では演じきれるようになりました。
「それができなきゃこれから先、社会で生きていけないよ」って今もそんな風に笑って言ってくれているような気がします。


そしてここからが今は亡きお姉ちゃんに向けて自分が一番書きたいことです。
「自分は誰かを助けるばかりで、自分のことを助けてくれる人は誰もいない」というお姉ちゃんの生前の苦しみ及び同等の心情を自分も味わうべきだと心に誓いひたすら行動してきました。お姉ちゃんが無心で尽くしてくれた形とは異なりますが、誰かを持ち上げることを目的に実社会において自分の目の前で出世・栄転・昇格をする人間達を沢山見てきました。だが自分という存在はあくまで誰かを引き上げる為の都合の良い存在でしかない。自分自身が「白紙」になり自らを「捨てる」ということも繰り返してきたつもりです。
もちろんそれでいいんです。自ら好んでそうしていたのですから。
お姉ちゃんが自分にとって、「そういう存在であった」と決してそう言っているわけではありません。でもこれで少しは同じ心情を味わえたはずだと自分は思っています。屈辱で惨めで辛くて苦しかったはずです。長い期間をかけじっくりと味わってきたこの感情を思うと、お姉ちゃんには「申し訳ありませんでした」で済む次元の苦しみではないことをさせていたと罪滅ぼしをいくらしてもしきれない気持ちでいます。


どうか、自分の肉体という殻の中で一緒に生き続けてください。自分は、お姉ちゃんの為にもきっとポリシーを投げ捨てずに生きていきます。  

お姉ちゃん!聞こえてますか?死んでしまってはあれだけ憧れていた結婚もできないじゃないですか(泣)いつか行ってみたいと話してた異国の景色も見れないじゃないですか(泣)そして、自分のこと置いてけぼりにしてなに勝手にいなくなってるんですか(大泣)俺にはお姉ちゃんしかいなかったのに!!(大大大泣泣泣)

自分も少しはあの頃より嘘が上手くなったよ。嘘をつくつもりはないけど。改めて、お姉ちゃんへ。必ず「高いステージ」に行ってみせるから。必ず「異国の景色」を見せてみせるからね。約束を果たしてみせる。   
2017/01/09,成人の日(type)   By.HIKARU

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