大切なもの


□また、あの人の笑顔を
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「お前たちに話がある」



Dランクの任務が終わって帰ろうとしたらカカシ先生にそう言って連れてこられたのは演習場。
今日のカカシ先生はなんかおかしかったってばよ。まぁいっつも変なんだけど、そんでも今日はなんか違う。
俺たち3人の顔をそれぞれ見て、深く息を吐いたカカシ先生。



「単刀直入に言うぞ」

「な、なんですか先生…」

「なんかこえーってばよ…」

「…」

「…ユウナが里を抜けた」

「!!」



ユウナの姉ちゃんが、里を抜けた…?
里抜けって、木ノ葉を出てったってことか?



「なんでかまではわかってない。けど俺は、あいつが考えなしにそんなことをするやつじゃないと思ってる」

「ったりまえだってばよ!!だってこの前、俺ってば…!」



そうだ。この前ユウナの姉ちゃんちでご飯食べたとき、姉ちゃんってばなんかすげー悲しそうな顔してた。今にも泣きそうなそんな顔で応援してるってそう言ってくれた。

ユウナの姉ちゃんってば、あのときにはもう…。



「…ナルト、どうしたの?」

「…俺ってば、この前ユウナの姉ちゃんちにご飯食べに行って、そんときに姉ちゃんが言ったんだ。好き嫌いしないで野菜も食えって、それも忍の仕事だって。そんでつらいときは泣けって、そんでもその後には前を向いて立派な火影になってねってよ」

「…ユウナさん、」

「…」

「…そんなことがあったのか」

「ユウナの姉ちゃんってば、あんときにはもう里を出てくつもりだったんじゃねぇのかなって、思って…」



いつもは優しく笑う姉ちゃんが悲しそうな顔をしてたから、なんでかわかんねぇけどあの顔が頭から離れなかった。ただ姉ちゃんが言ってくれたことと一緒にずっと覚えてて。
なんであんとき気づかなかったんだ俺ってば。姉ちゃんのこと守るって決めてたのに…。



「…俺が最後にあいつと話したとき、ユウナは里や大切な人を守りたいって言ってたよ。でもそれが何を意味するのか、俺にはまだわからない」

「…」

「…」

「…ユウナの居場所はわかるのか」

「…いや、残念だけど今はまだ」

「…っ」

「でも、お前たちにしたかった話ってのはこれだけじゃないんだ」



そう言うと先生は何かを決意するように俺たちの顔を見た。



「俺はこれから、ユウナの情報を集めようと思ってる」

「!」

「そんなのもできんのか!?なら俺も…」

「いや、これは任務じゃないし、それにまだ下忍のお前たちには行かせられないんだ」

「っなんでだってばよ!」

「…ユウナの背後にどんなやつらがいるのかわからない、その分危険は多い。任務ランクで言えばS以上になる」

「!」

「…そんなに危険なんですか」

「あぁ、だからお前たちには行けない。だけどその分俺がやろうと思ってる。通常任務に並行して俺が勝手にやることだからきっと上の許可は下りないしお前たちに迷惑をかけることになると思う」

「…カカシがやりたいようにすればいい」

「!」



珍しくそんなことを言うサスケに俺たちは目を見開いた。



「ユウナのことはカカシ、あんたが一番わかってるんだろ」

「…あぁ」

「ならあんたが動きたいように動けばいいんじゃねぇか」

「…そうよ、そうですよ先生。私たちのことなら気にしないで、先生はユウナさんが早く帰って来られるようにしてあげてください!」

「俺ってば出来ることがあんならなんだってするってばよ!」



サスケはサスケでユウナの姉ちゃんのことが心配なんだってわかったらなんでかしんねぇけどすげー嬉しくなった。カカシ先生はこれから大変になるかもしんねぇけど、俺たちも何かできることをしてぇ。そう思った。






また、あの人の笑顔を
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