大切なもの


□この想いが伝わるように
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「かー!やっぱ美味いってばよ!」



それから4日が経って、任務帰りにナルトと一緒に家でご飯を食べていた。
「ユウナの姉ちゃんのご飯食べたいってばよ!」と飛びついてきたそんなナルトにまだまだ子供だな、なんて思いながらもやっぱりどこか逞しく思うわけで。



「そんなに急いで食べなくてもまだあるから」

「ユウナの姉ちゃんのご飯が美味すぎるのが悪いってばよ!」



ご飯を口いっぱいに頬張って幸せそうな顔をするナルト。
ここで一緒にご飯を食べるのも今日で最後だね。



「ナルト」

「んー?」

「ちゃんと野菜も食べるんだよ」

「…俺ってば野菜嫌いだもん」

「好き嫌いしてたら一人前になれないよ。これからはラーメンばっかりじゃなくて野菜もしっかり食べなさい。栄養管理も忍の仕事のひとつだよ」

「…わかったってばよ」



そう言いながらぶすっと膨れるナルトが可愛い。



「ね、ナルト」

「ん?」

「あんたは立派な火影になるんだよ」

「??どうしたんだ?急に」



頬にご飯粒をつけて不思議そうな顔をするナルト。
そりゃそう思うよね。でも、会えなくなる前に伝えておきたいんだ。



「ナルトなら必ずみんなに認められる立派な火影になれる。私、応援してるからさ」

「うん」

「これから先辛いこととか悲しいこととかいっぱいあると思う。だけどナルト、あんたなら必ず乗り越えられる。大切だと思える仲間がたくさんできたでしょ?」

「…うん」

「その大切な人たちを守れるだけ強くなって。それが私からのお願い。いろんなことを経験して人は強くなってくの。泣いてもいい、辛いって叫んでも誰かを頼ってもいい。でも最後にはちゃんと前向いて、みんなの前を歩いて行くような忍になってね」

「おう!」



にかっ、と笑うナルトに明るい未来を感じた。
これで私がいなくても大丈夫。

あんたはもう、独りじゃないから。






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