大切なもの


□あこがれのひと
1ページ/1ページ








「ふー!うまかったってばよ!」

「本当に美味しかったです、ありがとうございました。私までごちそうになってすみません」

「いいよ全然。こんなもんでよければいつでもおいで」



今日初めて会ったユウナさん。
詳しく話を聞けば、カカシ先生の同期で上忍の医療忍者。伝説の三忍と言われた綱手様の一番弟子で、10年も修行のために里を離れていて最近帰ってきたばかり。しかもめちゃくちゃ強いらしい。カカシ先生曰く、「ユウナの拳骨はマジで死ぬほど痛い」…らしい。

綺麗で優しくて医療忍術が使えてそれでいて強いなんて凄すぎるっていうか。私もユウナさんみたいなくノ一になりたいなぁなんて素直に思った。
そんなことを考えながらカカシ先生を見ると、ナルトをからかって遊ぶユウナさんをびっくりするぐらい優しい眼差しで見てる。

もしかしてカカシ先生って…!
弱点見つけたかも、と思いながら内心ほくそ笑んでカカシ先生に擦り寄る。



「カカシせーんせ」

「ん?どうしたのサクラ」

「先生、ユウナさんのこと好きでしょ」



私が直球にそう言うとぶっと息を詰まらせてごほごほ咳き込むカカシ先生。
やっぱり乙女の勘は当たるのよねぇ!しゃーんなろー!



「な、なーんでそう思ったのかな、サクラちゃん?」

「だって先生見てたら嫌でもわかりますよ。めちゃくちゃ優しい目してたもん」

「あ、はは……マジかぁ」



どぎまぎするカカシ先生がなんか可愛くて笑った。
逆になんでわかんないと思ったのかが不思議ってぐらいわかりやすい。私の隣に座るサスケくんもフン、と言いながら興味あるみたい。



「いつから好きなんですか?」

「…うーん、ずっと前から、かな」

「へぇ。じゃあ結構長い片想いなんですね」

「…まぁ、ね」



そう言いながら照れ臭そうに頬をかくカカシ先生に意外と初心なんだなぁなんて思ったりして。



「私、応援しますよ」

「ん?」

「カカシ先生の恋。だってユウナさん、素敵な人だから」

「…ありがとう、サクラ」



カカシ先生の恋が実ればいいななんてそう思った。






あこがれのひと
次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ