妄想部屋
□ジューンブライド
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「あら、サムシングフォーよ。真澄様からのご依頼でね。サムシングボロウとして、脱ぎたてパンティーを貸してくれと頼まれたのよ?お陰でスカートの中だけは涼しいのよね!」
コロコロと水城は笑い声をたてた。
サムシングフォーは知っている。
サムシングニュー(新しい物)、サムシングオールド(古い物)、サムシングブルー(青い物)、サムシングボロウ(借りた物)。
この4つを身につけると花嫁は幸せな結婚生活を生涯送れるというヨーロッパのまじないだ。
しかし、サムシングボロウが脱ぎたてパンティーとすると…後の3つは考えるのも恐ろしい…。
「あと3つ知りたいか?」
真澄が、爽やか過ぎる笑顔を亜弓に向ける。
知りたくない…。亜弓の本能が、これから知る答えを拒絶する。
しかし、仮にも自分が所属する芸能事務所の社長だ。
恐る恐る亜弓は聞いた。
「あら、速水社長。後の3つはいったい何ですの?」
「フフ…サムシングニューは私が購入したシルクの糸だ!」
「…糸…?ですか?」
不吉な予感がする。
「マヤの乳首を朝キリキリ巻いてやったさ!」
真澄は指をクルクル回しながら上機嫌で答える。
「サムシングオールドは、親父が左甚五郎の張り型を結婚祝いにくれたので、サムシングニューの青いコンドームをつけて突っ込んだんだ!」
速水家が円満な様で何よりだが…脇汗がおさまらない。
マヤは恥ずかしそうに俯いている。
「マヤさんは、それで良かったの?」
思わず聞かずにはいられなかった。
無理強いされて断れなかったのかしら…少し亜弓は心配になったのだ。
「いや、それが激怒してね、怒りのあまりオレの菊門に左甚五郎をぶち込んできたんだよ!マヤは!まったく困ったチビちゃんだ!」
真澄はマヤの額をピンッ!と軽く弾いた。
「もー!!速水さんは!亜弓さんにそんな事までばらさなくてもいいじゃない!意地悪!ゲジゲジッ!」
ポカスカと真澄を叩きながらマヤは顔を真っ赤にして怒っている。
「ハハハ!あまり暴れると…そら!甚五郎が落ちるぞ!」
上機嫌な真澄は右へ左へとパンチを避ける。
そんな2人のじゃれあいを見ながら、震える体を自分の両手で抱きしめた亜弓は白目をむきながら心の中で呟いた。
「マヤ!…おそろしい子…!!」
fin