□神様の使い
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side本丸(山姥切、和泉守、堀川、石切丸、次郎、乱)


「なんで夜戦になってんだ?」

「知らないけど、早めに切り上げたほうがよさそうだね兼さん!」

「分かったから、静かにしてくれ。それと大太刀は」

「分かってるって!戦闘始まるまでは後ろにいるさ!」

「特にいつもと違う感じはしないけど、なぜ夜戦になったのか確かめる必要がありそうだね」

「夜戦ならボクの出番だよね!国広くん頑張ろうね!」



現在俺たちは主の命で、ある太刀を探すためここに来た

だが、この時代の戦闘は昼間しか行われないはず
俺と数振りしかいない頃は夜戦もあったらしいが、現在はないと主が言っていた

「仕方ない
主に連絡も取れないためこのまま進軍する
ただし、いつもと状況が違うことを常に頭に置き、あまり個々が離れすぎないように注意しろ」

部隊全員の了承を得て、俺たちは進むことにする

夜ではあるが敵は変化なく、大太刀や太刀が多めの部隊でこちらとの差はあまりなかった

偵察を行っていた乱藤四郎から異変を伝えられたのは、半分ほど進んだ頃だった


「一本の木の周りに敵が集まっている、だと?」


兄弟にも確認できたと言う


「なんだよ、ならその敵を全て潰しゃ良いだけじゃねぇか
さっさと行こうぜ」

「あんた分かってないねぇ
普段はそんなことないんだよ?
なぜか夜戦になっているこの合戦場で起きた異変は注意しなくちゃね」

「それで、隊長はどうするつもりかな?」


次郎太刀の言う通りだ
些細なことでも注意を払うのは大切だ

「だが、気になるな
次郎太刀、主への連絡を再度試みてくれ
石切丸は殿を
乱藤四郎と兄弟は先行し、肉眼で確認できるところで待機
戦闘が開始され次第横隊陣で殲滅する」

しばらく進み、全員が敵を肉眼で確認できるようになった


「こちらに気づかないね
それに不思議な光景だ、あれは」

「うーん…あ!木の上、何か置いてあるよ!」

「兄弟、何か分かるか」

「…多分刀だよ!でも、僕は知らない刀だなぁ」


兄弟がわからない刀、主の求めているものかもしれない


「あ、主かい⁈良かったよ
うん、それで?あはは、りょーかいだよ」


…やっと繋がったらしい


「後少しで帰還ゲートも修復できるらしいよ?どうするかい?
え、うん、わかった、部隊長に代わるよ」


次郎太刀から端末を受け取り現状報告を確認のためにももう一度行う


「主、現在敵1部隊が木の周りに集まるという奇怪な行動を取っている
兄弟の偵察によるとその木の上に不明の刀があるそうだ」

【え、刀?うーんでもそこ夜戦なんですよね?
切国から見て倒せそうな敵なら、殲滅後刀を拾い帰還としたいけど】

「問題ない
現在軽傷は俺と石切丸のみ
戦闘が終わったら連絡する」


【分かった!すぐ帰還できるようにしておく
気を付けてね!】


主との連絡を終え、全員と内容を共有する


「さて……参る!」


向こうが木の上に気を取られていたこともあり、奇襲を仕掛けこちらの勝利で終わった
乱藤四郎と和泉守も軽傷が付いてしまったが、刀装は剥がれていないため許容範囲だろう



「やっぱり僕の見たことない刀ですね」

「私も分からないな
主なら知っているかもしれない
まずは帰還しようか」

「ああ、主にも今連絡した
帰還だ」

未確認の刀は何が起こるかわからないため、基本的に御神刀が持つことになっている

今回も資材に関しては皆で分けて持つが、刀は石切丸に預け、俺たちはゲートをくぐった
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