□神様の使い
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あの後、特に疲れてもいなかったあたしは、すぐに出発することにした
連れて行かれた執務室の隣の部屋の床には、大きな魔方陣が描いてあった


そしてトキに刀を渡され、頭にハテナを浮かべている間に背中を押され



気が付いたら森の中

…さあどういうことでしょう

しかも渡された刀以外のものに触れない



何言ってるのかわからない?
うん、私もわからない


続けていい?だって暇なんだよ

刀には触れるとは言ったけど、刀を持ってる手とかその下にあるはずの足とかが見えないんです

確かに刀は持ってるし、認識の内では手に柄の感触もある


トキは私が知ってる物語って言ってたけど
こーんな森の中から始まる話、しかも刀が必要とか知りませんよ?


そうそう、服も変なんだ
空いてる右手で(刀は左差しって聞いたから)触って確認したんだけど、一言で言えば和服
細かく言うと、肩から肘まで布がなくて、肘から手首まではある
下は多分袴、それも股のところから分かれてるやつ


暇だし何にもいないし

とりあえず歩き回る いや、飛び回る?


少し歩いて川を見つけたから覗き込んでみるけど、やっぱりあたしの姿は映らなかった



そのまま夜になったから、適当な木の上に登る

やっぱり木も触れなかったけど、ジャンプしたら木の枝に着地できた

重さがないからかな?

唯一触ることのできる本体を木に立てかけてもたれる
こうすればなんとか休むことはできそう


あたしは知らぬうちに疲れていたらしく、ほとんどすぐに寝てしまった

起きたら驚きが待ち受けているとも知らずに
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