SHORT

□慟哭(OM)
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放課後の夕日が教室

いつもの窓際の席

毎日のように一緒にいる私たち



これがずっと続くと思っていた





OM「隆二、お前、今日も部活か?」



RJ「あぁ、そうだけど…なんで?」



OM「いや、ただ聞いただけだ」



『そういう臣は?』



OM「俺?今日は帰ったらバイトだ」



『ふ〜ん、バイト始めて半年だっけ?もう慣れた?』




私は窓に凭れてこちらを見る臣に尋ねると

軽く口角を上げ微笑みながら言われる




OM「フっ、お前じゃねぇからな、」



『もう〜、どうせ私は鈍臭いですよーだっ』




臣から目線を外し、机に突っ伏していると

隆二がやさしくグルリグルリと私の頭を撫でながら言う




RJ「○○は鈍臭いというか、ちょっと人よりいろいろと遅いだけだよなっ」




うぅ……そんなニカッと笑顔を見せられても

言ってること同じような…

まぁ、隆二はこういうの不器用だし、一応慰めてくれてるみたいだから




『あ、ありがとう、隆二!』



RJ「あぁ、じゃ俺部活だから行くわっ」



OM「怪我すんなよ」



『がんばってねー』




隆二が私たちに背中を向け、片手をひらひらしながら教室を出て行く




『部活か〜、私も何かした方がいいかな〜』




窓に凭れてこちらを見ていた臣が前の席に座って

私の額を軽く小突く




OM「バーカっ」



『イタっ…もう〜〜〜』



OM「さっきも言っただろ?お前は鈍臭いからなっ」



『はいはい、そうでしたね〜、ほんと臣って意地悪っ!』



OM「フン、意地悪は褒め言葉か?」



『…な、わけないでしょー!……っ!!??』




お返しにと私が臣を叩こうとした時、手首を強く掴まれてしまう

さっきまでの笑みは無く、真剣に見つめてくるから

私も目線を外せなくなる




『なっ…なに?』



OM「……話がある、」




なに?話って……



トクンっと大きく自分の心臓が跳ねたのを感じた



何故、そうなったのか自分でも解らない

次に臣の口から言われる言葉をどこかで期待していたのかもしれない



臣は私の手首を離すと携帯を取り出し

少し操作をして液晶を私に向けると言ったの








OM「………彼女が出来た」




『か…のじょ?』




意味が解らなかった

自分の中で今度は何かが崩れ去って行く音が聞こえ

それ以外の音は何も聞こえない



目の前の液晶の中には

きっと臣を見て微笑んでたんだろう



自然でとっても素敵な笑顔の女性




OM「○○?」



『っ!?あっ、ご、ごめん、いきなりでビックリして…』



OM「同じバイト先の子、」



『あ、バイト先の子なんだ、…綺麗な子だね』



OM「年上なんだけどなっ」



『そうなんだ、良かったね』



OM「まーな」




液晶を見つめる臣の顔が見れなかった







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