風車
□一話 カラスの学校
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「ふ、くぁ……」
午前8時20分。
まだ人の疎らな鈴蘭高校の門をくぐったのは、一色シュウだった。
指定の制服をきっちりときこみ、未だに染められたことの無い黒髪は焦げ茶色のゴムで一つにまとめられていた。
少し歩けばガシャンとガラスの割れる音がして椅子か何かが上から降ってくる。
それをちらりと横目でみながら、シュウは靴を履き替え、校内へと入っていった。
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