長い旅(トリコ・ココ)

□初日
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名無しさんがココの家に来て2回目の夜を迎えていた

そろそろ1日が終わろうとしている今、2人は・・・

「だからココさんがベッドで寝てくださいって!昨日はソファで寝させてしまったんですから・・・
それに、この家の主はココさんですよ?私はただの居候なんですからむしろ床でもいいくらいです!」

ココ「床なんてダメに決まっているだろう
そもそもソファですらボクは反対なんだ、女の子をそんなところで寝させるわけにはいかない
ボクはソファでいいから、君がベッドを使ってくれ」

どちらがベッドを使うかで揉めていた

といっても両者とも自分がベッドを使いたいと主張しているわけではない
お互いがお互いにベッドを譲り合っているのだ
なかなか折れない相手にだんだんとムキになっていく2人

さすがに数十分も似たようなやり取りをしていることにしびれを切らしたのか、名無しさんがこれならどうだ、と言わんばかりの勢いでとある提案をした

「じゃあココさんがベッドで寝るか、私と一緒にベッドで寝るか、選んでください!」

ココ(何その究極の選択みたいなやつ!?)

どちらを選んでも何だか気まずくなりそうな内容に狼狽える

ココ(ボクがベッドを使うと必然的に名無しさんちゃんはソファか床になってしまう
それだけは避けたいけど・・・一緒にっていうのも気恥ずかしいし・・・)

(何だかすごく迷ってる・・・!?)

悶々と考えているココを見て動揺する
元々選びにくい選択肢を入れることで無理矢理ベッドを使わせようとする作戦だった
だが、名無しさんの意図に反して意外にもどちらを選ぶか迷ってしまっている

(私と一緒に寝るなんて絶対嫌だろうから言ったんだけどな・・・なんか嫌な予感)



数十分後

((どうしてこうなった))

名無しさんの作戦は失敗に終わった

その証拠に今、ベッドの上には2人寝転がっている
2人とも顔を合わせるのが気まずいのか、相手とは逆の方を向いている

ココ「・・・あの、狭くない?」

「えっ!?い、いえ、大丈夫ですよ!」

今まで沈黙だったところにココが突然話しかけてきたので、驚きつつも答えた

ココ「そ、そう・・・ならよかった」

その言葉を最後に、再び静寂な空間に戻る

「・・・・・・」

ココ「・・・・・・」

((な、なんか緊張する・・・!))

ただ同じベッドにいるだけなのに緊張が収まらない2人は、結局なかなか眠れなかったのだった
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