長い旅(トリコ・ココ)

□似たもの同士
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ココ「・・・美食屋は人工的に毒の抗体を作るんだけど、ボクは常人より多くの抗体が作ることが出来たんだ

そのせいで短期間で多くの毒を摂取させられ、それらがボクの体内で混合、新たな毒が出来てしまったんだ」

「そう、だったんですね・・・お互い、大変でしたね」

ボクの話を聞いた名無しさんちゃんは少し苦笑しながらそう言った

ココ「そうだね・・・本当、似ているよ」

でも違うところもある

こんなボクにも支えてくれる人達がいる
手のかかる奴らばかりだが、小さい頃からボクから離れずにいてくれた

だけど、名無しさんちゃんにはいない
ずっと1人で、寂しい思いをしながら過ごしてきたに違いない

「あの、ココさん」

ココ「ん?」

「ココさんは、その・・・私のこと、気味悪くないんですか?」

遠慮がちに、そしてどこか怯えているように聞いてくる名無しさんちゃんに、ボクは嘘偽りなく答える

ココ「気味悪いなんて思うわけないよ
言っておくけど、気を使って言ってるわけじゃないからね

それに、ボクのほうが気味が悪いさ・・・品の無い毒人間だからね」

「?毒人間だからと言ってココさんがココさんじゃなくなるわけじゃないですよね?」

彼女何を言ってるんだと言わんばかりに首を傾げた

ココ「で、でも、ボクの体には毒があるし・・・」

「それはココさんに対する印象には関係ないですよね?
なら私にとっては、温かくて優しい人ですよ」

ココ「・・・!」

笑顔をこちらに向けながら自信満々な様子の彼女は、きっと当然のことを言ったつもりなのだろう
だがそれだけでボクの心は暖かくなった

そういえば小松くんと初めて会った時にも似たような感覚を感じたことがあった
彼女もまた、彼と同じく優しい心の持ち主なのだろう

ココ「・・・ありがとう」

そうボクは彼女に聞こえないように呟いたのだった
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