長い旅(トリコ・ココ)

□同情
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「あ、長居してしまいましたね、じゃあ私はそろそろ・・・」

ココの部屋にある時計を見た名無しさんは、そう言いながらベッドから下りようとする

ココ「ちょっと待って
もう暗いから危ないし、まだその人達がいるかもしれないでしょ
だから送っていくよ、どこに住んでるの?」

ココはそう聞きながら、店に毎日通えるくらいには近い所なのかな、などと考えていた
するとそんな考えを吹き飛ばすような、想像もしていなかった答えが返ってきた

「どこ・・・というか、野宿ですよ、10年間くらい」

ココ「・・・えっ」

野宿と聞いて呆然とするココ
そんなココを見て名無しさんは、そこまで驚くことかな、と思いながら今度こそ出て行こうとした

「あの、そういう訳なので送って頂かなくて大丈夫ですよ
それでは・・・」

ココ「ちょ、ちょっと待って!
そんなの余計に1人で行かせるわけにはいかないし、それ以前に野宿なんてさせられないよ」

「さ、させられないと言われても・・・」

少し困った様子を見せる名無しさんに、ココが思い付いたように提案した

ココ「・・・君が嫌じゃなければだけど、しばらくここにいるといいよ」

ココの突然すぎる提案に名無しさんは思い切り驚いた

「えっ!?で、でもそんなの・・・迷惑なんじゃないですか?」

ココ「そう思っていたらこんな提案はしないよ
・・・やっぱり、嫌かな?男と一緒に住むことになるし・・・」

「いえ、それは別に構わないんですけど」

ココ(構わないんだ)

申し訳ない、となかなか決められない名無しさんだったが、半ば強制的なココの説得により、ついに折れた

「それじゃあ、その・・・よ、よろしくお願いします・・・?」

こうして名無しさんはココの家に居候することになったのだった
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