長い旅(ルパン三世)

□第13話
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翌日、作戦実行の日

夜遅くの、人がいなくなった東京タワーに私達はいた

ルパンによると宝があるのは地下らしいので、タワーの下を重点的に探っている

少しした後、私はタワーを支えている脚のそばに、手が入るくらいの穴が空いているのを見つけた

「ねっ、次元ちゃん」

私は少し離れたところで同じ作業をしていた次元を呼んだ

次元「ん?何かあったか?・・・穴、か」

ルパン「どれどれ」

「うわルパン、いつの間に」

私は次元より離れたところで作業してたはずのルパンが後ろにいて驚いた

ルパンは穴を見て考え、穴に手を入れて引っ張った

すると、人が一人入れるくらいの大きな穴が現れた

そこには梯子がかけてあり置くまで続いている

次元「なるほど、ただの穴に見せかけて、実は宝の入口だったのか」

「じゃあこの奥に宝が?」

次元「ああ、まだ残ってればの話だがな」

そう言うと次元はチラッとルパンを見た

「・・・?」

私は意味がわからず一緒にルパンを見た

ルパン「つい最近この扉が開けられた跡があった

つまり、誰かが俺達より前に来て宝をとってったかもしれないっつーこと」

「なるほど・・・」

ルパン「まっ行ってみないとわからねぇけどな」





梯子を降りた先には少し広い空間が広がっていて、前には扉があった

ルパン「ここか」

扉の前に立つルパンはニヤリと笑いながら呟いた

次元「だが『他の世の者』って奴がいなきゃ開かないんじゃねぇか?」

ルパン「そこなんだよなー」

そう言いながらルパンは扉にもたれかかった

すると、ルパンが体重をかけた瞬間扉が押され扉が開いた

ルパン「あららぁ!?」

扉に体重をかけていたのでそのまま扉の中に倒れ込んだ

「ふ、普通に開いた・・・」

扉の先は小さい部屋になっていた

次元「どうなってんだ?ルパン」

ルパン「俺が知るかっての!


それより・・・先客がいらっしゃるようだぜ」

私は部屋を改めて見た

真ん中に太い石柱が私達の腰辺りまであり、その上に何かが置いてあったのだろうクッションのようなものがあった

そしてその柱の傍に、長身で髪は肩まで伸びている白衣を着た男が立っていた

男は私達を見て眼鏡を押し上げ言った

男「まさか私以外にここの場所を知っている奴がいたとは・・・

君たちは何者だ?」

男は冷静に私達に聞く

ルパン「人に名を聞く時は自分から名乗るもんだぜ?」

男「おっとこれは失礼、私はルーカスだ」

ルパン「俺はルパン三世」

ルーカス「ルパン・・・?

あの有名な大泥棒、ルパン三世か

ならその髭は次元大介だな、その女は・・・」

探るように私の方を見た

「新しく入りました名無しさんでっす」

ルパン「さて俺のこと知ってるなら話は早い、そこに置いてあったもんを寄越しな」

ルーカス「この鍵は私が先に手に入れたのだ、誰が渡すか」

ルーカスは柱に置いてあった鍵を見せながら言った

ルパン「鍵・・・?」

「ま〜お約束のセリフを次々と・・・」

そう呟いた時、隣から銃声が聞こえた

直後、ルーカスが呻き声をあげた

ルーカス「ぐっ!」

次元「我が儘な奴には灸を据えないとな」

次元はルーカスの鍵を持っていた方の手を撃ったのだ

撃たれた手から鍵が放り投げられ、ルパンの手の上に乗った

「おぉ・・・さっすが次元ちゃん!」

ルーカス「次元大介・・・やってくれたな・・・!」

ルーカス(まずいな・・・丸腰ではルパン達には敵わない・・・)

ルーカスはこの事態をどうするか考えていた

すると何かを思いついたように笑い、白衣のポケットからスイッチを取り出した

ルーカス「フッ、ハハハ!その鍵はくれてやる

だが鍵だけでは何もできない

まだ『他の世の者』を見つけられていないんだからな」

ルパン「まさか、『他の世の者』の正体を知ってるのか!?」

ルーカス「『他の世の者』は文字通り、他の世界から来た者のこと

私は他の世界からきた奴を感知する装置を作った

そしてつい最近、ようやくこの世界に来てくれたようだ

見つけ出すのは難しいが、この日本にいることは確かだ」

つい最近・・・日本・・・

やっぱり、私が『他の世の者』?マジで?

ルパン「何故そんなこと俺達に教える!?」

ルーカス「さぁ、それは教えられないな」

ルーカスはそう言うと手元のスイッチを押した

その直後天井の方から爆発音が聞こえ、その瓦礫が私達とルーカスの間に落ちてきた

砂埃を払いルーカスのほうを見ると、すでに彼はいなくなっていた

穴が空いた天井からはヘリコプターの音が聞こえた

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