短い旅(短編)

□背が高い人は・・・
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ここは『バンエルティア号』の中

そこで名無しさんは待ち合わせ場所に行くため廊下を歩いていた

アニス「名無しさんにどーん!!!」

「わっ、って、アニスさんですか」

背中にいきなり衝撃が来たと思ったら、ギルドの仲間であるアニスが飛びついてきたのだった

アニス「も〜名無しさんったらいつも通り反応薄い〜

まいっか!」

イタズラが失敗した子供のように頬を膨らませたが、すぐに戻った

「それで、何か用ですか?」

アニス「え〜っと・・・今日大佐に会う予定ある?」

「ありますがそれがどうかしたんですか?」

珍しくジェイドが依頼を一緒にやろうと誘ってきたので、向こうが本気なら会う予定だった

アニス「アニスちゃんお得情報手に入れたから〜それを伝えようと思って!

あのね〜・・・」

小さい体を精一杯伸ばしてこっちの耳元まで顔を近づけた

「・・・なるほど、そういうものなんですか・・・

面白そうですね、試してみましょうか」

アニス「でしょでしょ!

じゃあ後で結果教えてね〜!」

そう言い残すと他の女子達のところに戻ってしまった





場所は変わって展望室

ジェイドが事前に依頼を受けたようで、内容はここで伝えると言われ待っていた

暇だったので椅子に座って先程のアニスの情報を思い出していた

ジェイド「お待たせしてすみませんね」

そう言いながら名無しさんの右隣の椅子に座った

そこでチャンスと思った名無しさんは

ジェイド「今回の以来の件ですが・・・っ!」

自分の手をジェイドの頭の上に乗っけて、動かした

「・・・ナデナデ、です」



アニス「背が高い人は、頭を撫でられることが少ないの

だから、大佐の珍しい反応が見られるかも!」



ジェイド「・・・・・・っ」

ジェイドは少し照れているような複雑な表情をしていた

だが、嫌そうな顔はしていなかった

手を頭から離すと少し寂しそうな顔になったが、すぐに元に戻った

「・・・アニスさんが、ジェイドさんは背が高いので撫でると珍しい反応をしそうだと言っていて・・・

それで、気になって・・・」

名無しさん#はもしかしたら怒っているかもしれないと思い事情を話す

ジェイド「フッ、別に怒っていませんよ」

「ごめんなさい、急に変なことをしてしまって

結局どんな依頼にしたんですか?」

ジェイド「今回の依頼は

『大佐を癒せ』

です♪」

「・・・え」

最初何を言っているのかいまいち理解出来なかったが、少しずつ整理する

「つまり、ジェイドさんを何とかして癒せってことですか・・・?」

ジェイド「そういうことです

あぁ、ご察しの通り依頼主は私です」

依頼内容は理解出来たが疑問しか残らなかった

ジェイド「ですが、先程依頼を達成されてしまいましたよ

もう少し貴女といたかったのですがね」

まあ仕事もありますし、と言いながら椅子から立ち上がる

「それってどういう・・・」

ジェイド「依頼達成の報告は私がしておきますので

ではまた後ほど」

そう言い残すと逃げるように去っていった

去るまでずっと俯いていたので表情が読み取れなかったが、もしかしたらと呟いた

「・・・ということは・・・

ジェイドさんはナデナデで癒された?」




実は展望室ドア裏にいたアニス

アニス(いや〜大佐、わざわざ指名の依頼するほど名無しさんのこと気に入ってるんだ〜

あんなに照れてる大佐見たことないしまずレア物!

ていうか、自分が照れてちゃ意味ないと思うけどw)

ジェイド(アニス〜

後でお話があります)

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