短い旅(短編)

□風邪
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ダルイ

それしか考えられないくらい頭が痛い

まあ当たり前か

・・・熱だしな!

仕事に行ったら無理矢理帰されたし暇だなぁ

なんかこういう時って、こう、寂しくなるよな

Twitterやろ

「熱出たワロタ・・・と」

さて、何するかな





ピンポーン

ぐっすり寝ていた時にチャイムが鳴った

目覚まし替わりになるくらい大音量に設定してあったので、そのせいで起きてしまった

「ん・・・誰だよこんな時に・・・

チッ、どちら様ですか?」

ダルくても宅配だったら困るのでドア越しに問う

おそ「俺俺!おそ松!

風邪なんだって?いろいろ買ってきたぜ!」

ドアの反対側からは幼馴染みの松野おそ松の声が聞こえた

せっかく来てもらって無視するものアレなので仕方なくドアを開けた

「・・・何で俺が風邪って知ってんだ?」

おそ「Twitter見たから

ってすげぇ辛そうじゃん!

ほら早く寝ろって!何か俺にできることあるか?お粥作るぞ?」

さり気なく部屋の中に入ってくるおそ松

俺の体を支えながらベッドまで運んでくれた

いつものクズっぷりからは想像できないほどに心配してくれていた

「いや・・・じゃあ、頼むわ」

移ったりしてしまうのではないか、迷惑じゃないかとも思ったが腹も空いてたので頼んだ

てかあいつ料理とか出来たのか

少し寝ようかな・・・

そう思いベッドの中に入るとすぐに睡魔が襲いかかり眠ってしまった





おそ「・・・ーい、おーい、できたぞー」

横から聞こえる声に目を覚ました名無しさん

だが寝ぼけているのか目がちゃんと見えていなかった

お母さん・・・?

「ん・・・抱っこ・・・」

弱々しい声で普段なら絶対に言わないようなセリフを吐く

おそ「・・・ん!?

(え!?あの名無しさんが可愛い・・・!?
待って襲っちゃう)←」

いきなりの衝撃だったらしく頬を染めるおそ松

「・・・お、おそ松!?

最悪だ・・・」

完全に目が覚めた名無しさんは自分が先程何を言ったのか理解し、項垂れた

おそ「ん〜抱っこか〜?

あ、すみません、殴らないで」

怒りからか羞恥からかはわからないが顔を真っ赤にし殴ろうとする名無しさん

「まったく・・・」

おそ「じゃあ起きたしお粥持ってくr・・・?」

右腕の袖が引っ張られるような感覚がし目を向けるおそ松

「・・・!?」

その先には自分と同じように驚いた顔をした名無しさんがいた

おそ「・・・はいはい、お兄ちゃんはここにいるぞ〜」

そう言いながら名無しさんのことを抱きしめぽんぽんと頭を撫でる

普段なら恥ずかしいが、熱って恐ろしいな

おそ松がいると気が抜ける・・・

いや言い方が悪いな、安心する

あ、眠い・・・

次も睡魔に勝てなかった名無しさんは眠ってしまった





おそ(寝ちまった・・・

あまり溜め込むとお兄ちゃん心配だぜ

寝顔は可愛いんだけどな、普段もああいう可愛げがある言動してほしいわ〜

・・・マジで襲いそう)

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