長い旅(テイルズ)

□ギルド到着
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〜バンエルティア号〜

アメール洞窟から帰還した名無しさん達はホールでチャットとキールに遭遇した

ジェイドと名無しさん以外はゲストルームで休んでいる

ちなみに船に着いた時目が覚めた名無しさんはまだジェイドに抱きかかえられていた

「・・・・・・」

こんな姿をメンバーに見られるのは恥ずかしかったが、まだ歩けそうにないのでこのまま大人しくすることにした

ジェイド「おや、中は立派なものですね

これは意外です」

チャット「意外って、どういう意味ですか!

随分失礼な物言いじゃないですか

・・・助けるんじゃなかった」

聞き捨てならない言葉を聞いて、少し後悔したように呟くチャット

名無しさんに気付かないくらい怒ってしまった

ジェイド「これはこれは、失礼を

私はグランマニエ皇国軍大佐のジェイド・カーティスと申します

あまりに立派な船に見惚れてしまいました」

チャット「何を白々しい・・・まあいいでしょう」

キール「そんな事より、何故名無しさんが抱きかかえられているんだ?」

チャットとジェイドの会話が終わったところで、キールが気になっていたことを言う

ジェイド「ガイ・・・いえ、私の仲間が敵だと間違え傷を負わせてしまったのです

深い傷だったので回復術だと完全に治らないと思い、ここで治療させてもらおうかと」

キール「そういうことだったのか

・・・おまえ、よくその状態で平然としていられるな」

「私だって、恥ずかしいんです・・・」

どうやったらこの状態で平然としていられるのか、知ってる人がいたら教えてもらいたかった

チャット「では、部屋を用意しますね

ボクはバンエルティア号の船長、チャットといいます」

ジェイド「船長の勇敢かつ迅速な判断で我々を助けてくださったこと、大いに感謝します

出来ればこれからグランマニエに向かって頂きたいのですが」

キール「残念だったな

この船は近海しか移動出来ない」

このバンエルティア号は近海しか移動できないので、遠くにあるグランマニエには向かえなかった

そのため依頼も少ないのでメンバーはほぼ毎日暇していた

ジェイド「そうですか

では、こちらでよい策が見つかるまでしばらくご厄介になりますよ」

有無を言わせない口調で言った

チャット「・・・む

・・・しょうがありませんね

それじゃあ、ゲストとしてお迎えします」

ジェイド「感謝します」

キール「ゲストルームに簡単な治療道具などを置いておいたぞ

そこで治療してくれ」

いつの間に用意したのか、キールがゲストルームに案内した





〜ゲストルーム〜

部屋に入ってようやくソファに降ろしてもらった

やっと気を緩められた名無しさんは疲れがどっとでてきた

ジェイド「簡単な治療をしますので、足を出してください」

「えっ・・・

大丈夫ですよ!私一人でも」

出来ます、と続けようとしたが、いきなり頭にジェイドの手が置かれたので驚いて言えなかった

ジェイド「あなたは自分を下に見すぎです

もう少し周りを頼った方がいいと思いますよ」

「・・・!

そんなこと、ないですよ・・・」

図星を突かれ、相手の顔を見れずに俯く

ジェイド「・・・まあ、私には関係ありませんがね」

そう言ってジェイドは名無しさんの足を治療し始めた

名無しさんは、黙ってそれを見ていた





治療が終わり、ジェイドが立ち上がって言う

ジェイド「では私は船長に話がありますので、これで失礼します」

「あ、ありがとう、ございます」

ジェイド「いえいえ、私の仲間が申し訳ありませんでした」

では、と部屋を出ようとドアノブに手をかけた時

「・・・やっぱり、ジェイドさんは優しいですよ

あなたも、自信を持ってください」

ジェイド「・・・私は、冷たいですから」

そう呟いて部屋を出ていった





〜機関室〜

ジェイドが向かったのは機関室だった

入るとチャット、キール、ルカがいた

キール「そういえば、あんた達を襲ったのは海賊だったのか?」

ジェイドが来たのを確認したキールが思い出した疑問を問いかけた

ジェイド「いいえ

我々の船を襲ったのは『ナディ』というテロ団体ですよ

海賊よりも性質が悪い・・・」

ルカ「ナディ・・・?あ、聞いた事あるよ

マナ、だっけ

世界樹が生み出した、全ての生命の源

そのマナを信仰する宗教団体はたくさんあるけど、『ナディ』はちょっと過激というか何というか・・・」

ルカが知っていることを説明すると、ジェイドが補足をつけた

ジェイド「その通りです

『ナディ』はマナ消費の抑止を訴える環境保護団体です

我が国グランマニエはマナによって発展した、世界有数のマナ消費大国ですからね

大量消費が国際問題にされつつある一方、民衆はマナに依存しきってますから、ナディもさぞ活動のし甲斐があるでしょう」

面倒だと言わんばかりの表情で、自分の国とマナの関係と問題について説明した

キール「近年マナ減少が危惧されている事についてよく大学で議論されたもんだよ

中には入れ込み過ぎてテロ活動に参加するヤツもいたもんさ」

意味がわからないと首を振るキール

ジェイド「ええ、まさしくナディはテロ組織と言えますね

国で反国家組織として認定されかねないほどに

なにしろ、マナの大量消費の批判を唱えるあまり、文明そのものを後退させようと画策している人達ですからねぇ」

チャット「・・・それで、あなた方がテロの標的にされたというワケですか」

ジェイドが頷く

ジェイド「現在、我が国では、マナに替わるエネルギーの開発に着手しておりまして

近隣諸国に理解及び協力をお願いする為、ルークが『親善大使』として各国を遊説して廻っているところです

我々はそのルークの護衛任務中なんですよ」

今回の事件のことをあらかた話し終え、解散となった

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