長い旅(テイルズ)

□救助成功?
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〜戦闘省略〜 ←希望があれば・・・!





ガイ「う・・・くそ・・・」

戦闘が終わり、がくりと膝をつき悔しそうに呟く金髪の青年

名無しさんもかなり負傷してしまったので少しふらついている

金髪の青年にほとんど傷がないのは、剣は向こうの攻撃を受け止めるだけでほとんど使っていないからだ

ルーク「・・・ガイを倒した、だと?」

その言葉には信じられないとでも言うような驚き

そして、見た目からは想像出来ない強さを持った名無しさんへの恐怖心が含まれていた

名無しさんは主に足をやられてしまったので剣を杖代わりにして二人に近付く

「っ・・・あの、話を、聞いてください」

ルーク「聞かなくてもわかるさ

・・・お前の目的は俺なんだろ?

じゃあ、連れて行けよ

ただし、他の仲間達には手出しすんじゃねぇぞ」

仲間をとても大事にしているんだなと思った名無しさん

このまま勘違いさせているとなんだか可哀想と思い始めてきた

ガイ「ルーク、馬鹿言うな!」

ルーク「頼む・・・」

ちょっとかっこいい感動シーンみたくなってきてますます罪悪感が湧く

言いにくいなぁと複雑な気持ちを抱いていると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた

ジェイド「よかった、そちらでも見つかったんですね

こちらも見つかりました」

やって来たのは数時間前に入口付近でこの二人を探して欲しいと頼んできた人

ジェイド・カーティスだった

「ジェイドさん!」

いいタイミングに来てくれたとホッとした

ジェイド「ガイ、ルーク

我々を保護してくれるギルドの方に失礼なことはしませんでしたか?」

ガイ「え・・・?じゃあ、こいつ・・・

追っ手じゃなかったってのか?」

目を少し見開きジェイドと名無しさんを交互に見ながら問う

ティア「ルークならともかく、ガイが早とちりするなんて珍しいわね」

ジェイドのほうで見つかったのであろうもう一人の女性の仲間も一緒だった

ルーク「俺ならともかくって、どーいう事だよっ!

アイテテテ・・・」

ガイ「・・・ティア、看てやってくれ

どうやら肩を痛めてしまったらしい」

ティア「わかったわ、ルークは任せて」

回復術をかけている女性にそうだ、と思い話しかける

「あの、こちらの方も治してくれませんか?

先程の戦闘で傷はないとはいえどこか打っているかも知れませんし・・・」

名無しさんは金髪の青年のほうを見ながら頼んでみる

ティア「あなたはギルドの・・・?

えぇ、わかったわ」

ガイ「ちょっと待ってくれ!

ティア、彼女のほうが俺のせいで傷が深い

俺はいいから彼女を回復してくれないか?」

名無しさんは何故自分を優先させるのかが疑問で問いかけた

「何故私を・・・?」

ジェイド「ガイは女好きですからね〜」

この場に似合わない軽い口調でからかう

ガイ「誤解を招くような言い方はやめてくれ!」

ジェイド「それに、ガイの言うとおり貴女の傷は相当深い

回復術では完全に治りきらないでしょう」

ガイのツッコミを綺麗にスルーして淡々と言う

「・・・でしたら私は大丈夫ですので先にギルドに行きませんか?

皆さんも早く休んだ方がいいと思いますし、あ、私は自分で適当に包帯でも巻くので」

名無しさんは本当に自分よりこの人達を休ませたい、と思っていた

自分より他人という性格が無意識に出ているのだろう

ジェイド「・・・・・・」

何か考えるような顔で一瞬黙り込む

だがすぐに先程までの笑みを浮かべた顔に戻った

ジェイド「まあ、こうして皆さんと出会えた事ですし、これからどうするかを話し合いましょう」

ティア「本国に帰還すべきだと思います

ですが・・・ここからでは容易ではありませんね」

ガイ「だな

船は航行不能だし、陸にたどり着く方法から考えないと」

「・・・私達の船で貴方達の国に行く、というのはどうですか?」

自分が勝手に決めてしまってもいいのかと思いつつも恐る恐る提案してみる

ジェイド「あなた達の船に、ですか?

それは願ってもいない事です

是非ともお願いします

では、参りましょうか、皆さん」

ジェイドの言葉に頷き、それぞれ洞窟の出口に向かう

金髪の青年は赤髪の青年に肩を貸していた、赤髪の青年は「いいよ別に」などと言っているが離す気はなさそうだ

「仲が、いいですね・・・」

ボソッと、誰に聞かせるでもない声で呟く

少し羨ましいなぁ、と思っていると

ジェイド「では私達も仲良く行きましょうか」

「ジェイドさん!?

いつの間に後ろに・・・というか行かなくていいんですか?」

先に行ったと思っていたジェイドが斜め後ろに気配なくいた

つい驚いて声を上げてしまった

ジェイド「よくありませんよ?

なので、行きましょうか」

すると突然体が浮き、洞窟の天井が目に入る

「・・・!?」

何が起こったのか理解するため今の状況を整理しようとする

整理し終えた名無しさんは段々と顔が赤くなっていった

ジェイド「おやおや、ウブですねぇ」

「あ、あの・・・これすごく恥ずかしいんですが・・・」

ジェイド「これ、とは『お姫様抱っこ』のことですか?」

わかっていながら質問してくる様子はちょっとした悪魔だ

(『お姫様抱っこ』と言うのか・・・)

ジェイド「おっと、またはぐれたらいけませんね

では行きますよ」

心の底から楽しんでいる口調と声で言いながら歩き出した

名無しさんは内心すごく緊張していた

会って数時間しか経っていない男性に持ち上げられているこの状況で何も思わない方がおかしいだろう

そのまま会話も特になく進んでいると、向こうから話しかけてきた

ジェイド「足、痛みませんか?」

「えっ・・・あ、はい」

先程の悪魔のような態度からは考えられないくらい優しい声で聞いてきた

「まさか足の怪我を気にして・・・」

意外だ、と言ったら面倒そうなので心の中に留めておいた

ジェイド「それ以外に何があると言うんですか?

会って数時間しか経っていない女性に何も無いのにこんなことしませんよ」

(ですよね・・・)

心の中で苦笑いする

「本当は、優しいんですね」

ジェイド「・・・さぁ、どうですかね」

よくわからない間があったが今は気にしないことにした

それから名無しさんは他の仲間達に追いつく頃には疲れて寝てしまっていた

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