長い旅(テイルズ)

□要人救助
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〜雑な前回のあらすじ〜

チャット「この依頼を受けてくれるんですってね?

では、簡単に説明しておきます

グランマニエの船が、所属不明の何者かに襲撃されたのは知っての通り

グランマニエの要人らしき者が船を捨てアメールの洞窟へ向かったのを確認しました

あなたにはアメールの洞窟に向かってグランマニエの要人を保護してきてもらいます

よろしいですか?では、早速救助に向かってください」





〜アメールの洞窟〜

薄暗いが見ようによっては綺麗な洞窟

依頼で何度か来たことがあるが、魔物がいるのでいつ来ても気を抜けない

少し進むと一つの人影が見えた

人影に近付くと背が高い男性ということがわかった

さっき見たグランマニエの人だ

心臓の鼓動が早くなる

名無しさんは少し人見知りなのだ

知らない人と話すのは緊張するが、今はそんなことを言っていられない

「あ、あの・・・」

勇気を振り絞って声をかけたが、思いもよらない言葉が返ってくる

ジェイド「おや、追っ手・・・ですか

まったく、仕事熱心で結構なことですね」

「え!?いや、私は敵じゃ・・・」

ジェイド「さてと、では私も仕事をしますか

・・・命の保証はしませんよ?」

こちらの話を聞こうとせず、向こうが戦闘態勢になる

(さっきあんなことがあったから警戒心が強い

しかもこの人・・・かなり強い)

このまま戦闘になると高確率で殺されると思い、頑張って交渉しようとする

「待ってください!私は敵ではありません!

あと死にたくないです」

最後につい本音が出てしまったことは今はスルーする

ジェイド「・・・なんですか?

せっかくやる気になったというのに・・・」

必死な名無しさんを見て嘘はついていないだろうと思ったのか、向こうは話を聞く体制になった

(やる気にならないでください・・・)

と思った名無しさんだが、ひとまず話を聞いてくれそうなのでホッとする

そして一通り状況を説明した

ジェイド「・・・なるほど、あなたはギルドの有志で、我々の救助にやって来られた、という事ですか」

「はい、なので襲撃していた方達とは繋がっていません

あ、私は名無しさんといいます」

ジェイド「私は、ジェイド・カーティス

グランマニエ皇国軍大佐を務めております

先程は申し訳ありませんでした」

普通に自己紹介と謝罪をしてきて、案外優しい人なのかなと思った名無しさん

あまり感情がこもっていない謝罪だったが、それはいいとした

ジェイド「と、まあ、見ての通り困った状態でして

どうか、仲間の捜索をお願い出来ませんか?

部下の一人に探させている最中ですが、人手は多いに越した事はありませんから」

何故か彼が言うと全く困った状態に見えない

だが頼まれた以上、依頼はこなさなければならない

「わかりました、えっと、カーティスさん・・・?」

どう呼んだらいいのかわからずついファミリーネームで呼んでしまった

ジェイド「ジェイドでいいですよ

では仲間の風貌をお伝えしておきましょう」

仲間の風貌は赤い髪に白い上着の青年、らしい

ジェイド「いわゆる『やんごとなき』身分のお方ですから、無礼のないようにお願いしますよ」

(やんごとなき・・・?偉い方ってことですかね)

いきなり出てきた単語に疑問を持ちつつも頷いた

ジェイド「私は、外から捜索にあたります

ひょっとしたら岩場に引っかかって、フナムシに集られているかもしれませんし」

「あなたのほうが無礼なんでは・・・」

普段こんなに喋らない名無しさんもツッコミに回ってしまう

ジェイド「いえいえ、そんなことはありませんよ

それでは、捜索をお願いします」

そう告げて東側のほうに行ってしまった

「・・・私は西側に行け、ということですかね」


〜西側・奥〜

洞窟の奥の一つに腰に剣を刺している金髪の青年と、赤い髪で白い上着の青年がいた

赤い髪の青年のほうは、横になって少し辛そうにしている

ガイ「大丈夫か、ルーク」

金髪の青年が問う、だが大丈夫そうには見えない

ルーク「岸にたどり着くまでに右肩を外しちまったみたいだ

けど、利き手じゃねーし、大丈夫だって」

金髪の青年を安心させるためか笑みを浮かべて言ったが、明らかに無理をしているように見える

ガイ「いや、お前は動かない方がいい

全く、ジェイドもティアもどこにいるんだ」

ルーク「ガイ、心配だ

探しにいってやってくれないか?」

ガイ「ここにお前を置いていったら、ヤバイだろ

何とかしてやるから、もうちょっと寝てろ」

安静にするように促す





・・・ところを名無しさんは隠れて見ていた

(金髪の人さり気なく警戒している・・・)

敵は容赦なく倒す、というオーラが名無しさんには見えた

(あまり気が進まないけど戦闘になったらさっきみたいにしてみよう)

密かに決心して、2人に近付いていく

ガイ「っ!何者だ!」

敵意剥き出しで問いかけてくる

「・・・あなた達を、探していました」

自分自身では良い意味で言ったつもりなのだが、向こうには悪い意味で伝わってしまったようで

ガイ「で、このまま俺達を捕まえる気か?

やってみるのはいいが、こっちもそれなりの対応はするぜ」

(すごい勘違いをされている・・・!?)

「私は敵では・・・えっ」

金髪の青年は剣を抜いてこちらに向けてきた

(もう少しコミュニケーション能力を高めなくては・・・)

今後頑張っていこうと考えながら、こちらも仕方なく対応するのだった
 

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