長い旅(テイルズ)

□グランマニエの船
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〜機関室〜

特に何もやることがないのか、今日もまた用もなく機関室に人が集まる

キール「しかし、まあ毎日暇な事だ

依頼と言えば身内からばかり

子どもにギルドの経営なんて出来るわけない

いつまでこんなごっこ遊びを・・・」

キールの言葉を遮るように、何か大きい音が外から聞こえた

キール「ん・・・なんだ?」

あまり聞きたくない鈍い音は何回も続いた

カノンノ「大砲の音?」

「大砲・・・!?」

チャット「甲板へ行ってみましょう!」







〜甲板〜

海をよく見渡せる甲板に急いで向かい、音の正体を確認する

そこには小さい船が複数あり、その中央に大きい船を囲んでいるところが見えた

大きい船は小さい船に大砲を撃っていた、これが音の正体だろう

ルカ「船同士が戦ってる!」

「いえ、一方的に襲っている風に見えます!

いきなり襲撃されたのでしょうか・・・」

イリア「ちょっと、ヤバイほうの船の旗、見て!」

ヤバイほうの船は恐らく大きい船のことだろう

普通の船より豪華な装飾がされていて、同じ旗が複数掲げられていた

イリア「ほら、グランマニエの国旗!」

「グランマニエ?」

イリア「えーっと、グラニデにある国の一つよ!」

あまり詳しいことは知らなかったのか、大雑把な説明をするイリア

ルカ「海賊に襲われてるのかな!?

それとも、敵国同士の開戦なのかも!

どどどど、どうしたらいいんだろう・・・!」

イリア「ほーら、落ち着きなさいってば

ここは一発、こっちも大砲をぶち込んでやりましょ!」

「こちらも撃つんですか!?」

何故そうなると突っ込まざるを得ない発言に驚く

ルカ「む、無茶だよ・・・

誰も使い方知らないからって大砲の手入れすらしてなかったでしょ」

(ホッ)

どうやらこの船に大砲を扱える人はいないようで安心する

チャット「・・・おや?見てください!」

何かを見つけたらしいチャットがそれを見るよう促す

チャット「気の抜けた話をしている場合じゃありませんよ

王国籍の船から脱出用の小船が使われるようです

きっと、要人を逃がすためでしょうね」

イリア「はぁ〜?無謀ねぇ

あんな小船じゃ、陸にたどり着けるわけないじゃん」

他人事のように呟く

チャット「いえ、この辺りにはアメールの洞窟があります

そこへ身を隠すつもりなんでしょう」

「ですが、そこは魔物が・・・」

チャット「えぇ、いますよ

・・・これは名を上げるチャンスでは!

ボク達で救助して差し上げましょう!」

いい材料を見つけたと言わんばかりの勢いで皆に言った

イリア「グィヒヒヒヒ〜!

い〜じゃん!やってやりましょ!」

イリアの謎の笑いで、ここは一旦解散となった

救助は依頼とするらしく、すぐに受注するため機関室へ向かった

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