夢への扉

□独占欲
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カノside

あぁ〜あ、イラつくなぁ。
シンタローくんったら、またセトと
話してる。随分と楽しそうじゃん?
彼氏のことは放っておいてさ、
僕よりセトの方が大事ってこと?
そういうことだよね?
ムカつく。本当イライラする。

僕は独占欲が強い。
自分のモノとか絶対、他のヤツに
渡したくない。束縛していたい。

特にシンタローくんは。
勿論、シンタローくんのことを
所有物だと思っているわけではない。
シンタローくんは僕の恋人。
だから、他のヤツと雑談とか
許せない。話したいなら、僕の所に
来ればいい。僕と話せばいいじゃないか。なのに、それなのに…
シンタローくんはいつもセト。
僕の所に真っ先に来てくれることなんて全くない。僕は2番目。
どうして、どうしてなの?

考えれば、考えるほどイライラしてきて、気づいたらシンタローくんの
腕を掴み、僕の部屋に向かっていた。
セトはぽかんと口を開け
唖然としていた。

「いたっ…えっ?ちょっ…カノ!?」

シンタローくんがなにか言っているが
イラつきが最高潮に達していた僕は
それを無視しシンタローくんを
部屋のベットに投げ出した。
そして僕はその上に覆い被さる。
これから何をするのか悟ったらしい
シンタローくんは途端に顔を真っ赤に
して、あたふたしていた。

「あっ…え…カノっ!まだ、まだ
昼だぞ…?さすがに…コレはマズ…」

「うるさいな。ちょっと黙ってて。
シンタローくん、コレはお仕置き
だから。君には拒否権なんてないよ」

シンタローくんの言葉に被せて
僕は主導権がこちらにあることを示す
そう、コレはお仕置き。
悪いのはシンタローくんだから
セトばっかり構う君がワルいんだから

「お仕置きってオレなんかした…?」

と、まるで捨てられた子犬のように
しゅんとした顔でコチラを
見つめてくる。きっと無意識なのだろう。可愛い。だけど…

「そんな顔したって駄目だから。」

シンタローくんは頭に『?』
を浮かべている。やっぱりね。

「カノ?」

「シンタローくん。もう一度言う
けどこれはお仕置きだから。
覚悟してなよ。僕が満足するまで
終わらせてあげないから。」

きっと今僕は相当
怖い顔をしているなとおもった。
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