エース短編
□一目惚れ
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朝、食堂でいつものようにニュース・クーの新聞を読んでいたら、いつものようにエースが横から覗き込んできた。
エースの弟が賞金首になってから、毎朝必ず、エースは弟の賞金が上がってないかチェックしている。
エ「よう、マルコ!!新聞読んでんのか?手配書は来てるか?」
マ「ああ、残念ながらおめぇの弟は載ってなかったよい。」
エ「なんだ、載ってねぇのか・・・」
あからさまにがっかりしている。
マ「ああ、だが新しいルーキーが新世界で暴れまわっているらしいねい。」
エ「へえ、どんな奴等だ?」
流石は元海賊団の船長、新しいルーキーには興味があるらしい。
マ「それが、女だけで結成された海賊団らしいよい。確か船長と副船長の手配書なら、挟まってたよい。」
そう言いながら新聞をパラパラとめくる。
マ「あったよい。こいつが船長のハッサン・ベガ。」
一枚目の手配書をテーブルに置く。
マ「そしてこいつが・・」
しかし、2枚目の手配書はテーブルに置く前に、突然俺の手から消えた。
横を見ると、エースがその手配書を掴み、じぃ〜っと穴が開くように見つめている。
マ「エ、エース?」
声をかけても反応なし・・・
エースはまるで熱でもあるかのように、そのまま手配書をもってフラフラと食堂を出ていった。
だ、大丈夫かよい・・・
***
1時間後
「マルコ隊長ー!!大変だーー!!」
クルーが俺の部屋に走り込んできた。
マ「うるせぇな。なんだってんだよい。」
報告書のチェックをしていた俺は羽ペンを持ったまま、ゼエゼエいっているクルーに目を向けた。
エ「エース隊長がいきなり居なくなったんです。とにかく来て下さい!!」
マ「なんだと!!」
知らせを受けて慌てて甲板に出ると、ジョズと3番隊のメンバーが揃って呆然と海の彼方を見つめていた。
マ「エースが居なくなったってどういうことだい!!誰か詳しく聞かせろよい。」
すると、ジョズが口を開く。
ジ「それが、さっきまで甲板で誰かの手配書をじっと見ていたと思ったら、いきなり俺の新聞をひったくって部屋に行っちまった。そしたらすぐ、バッグを持って飛び出してきてよ、そのままストライカーに乗って行っちまったのさ。」
マ「手配書・・・」
エースが見ていた手配書とは、確認せずとも俺の新聞から取っていったヤツで間違いないだろう。
ルーキーの副船長の手配書。
マ「ソイツが関係していることは間違いないねい。」
知り合いかなにかだったのだろうか?
すると、
「た、隊長ーーー!!」
さっき俺を呼びに来たクルーが走ってきた。
手に何か紙切れを持っている。
「エース隊長の部屋に書き置きが!」
マ「なにっ!何て書いてあるんだい!?」
「そ、それが・・・」
口ごもるクルーからエースの書き置きを奪い目を落とす。
そこには雑な走り書きでこう書いてあった、
ーーー嫁をもらってくる。
「「はあああ!?」」
モビーが騒然となった。