二重奏は青空に響く(marco)

□二重奏は青空に響く
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?「ゴルァアア!!エースー!!」


太陽がやっとこさ東の水平線に顔を出した頃、白ヒゲの船『モビーディック号』の甲板に怒鳴り声が響き渡った。


まったく朝っぱらからうるせぇよい…


どうせ、エースの奴が食料をつまみ食いでもしたんだろう。


なく子も黙る白ヒゲ海賊団の一番隊隊長、不死鳥マルコは溜め息を1つ吐いて甲板へのドアを開けた。
途端に磨き上げられた包丁が覇気をまとい飛んでくる。それを無言でひょいとかわすと………


ドスッ


包丁は丁度頭があった位置のドアに鈍い音を立て深々と突き刺さった。


?「おっとすまねぇマルコ、エース見なかったか?」


船首の方から手に沢山の包丁を持った金髪フランスパ…(ゴホンッ失礼…)リーゼントの男が現れた。
「野郎には厳しく、女性には優しく」がモットーの6番隊隊長兼、コック長のサッチだ。


マ「いや、見てないよい。エースはまた、つまみ食いかよい。」


サ「つまみ食いじゃねぇ!“盗み食い”だ!!あいつはつまむなんてレベルじゃねーよ。あんにゃろ、海王類の肉を丸々一頭分食いやがって。」


許さねぇー!!サッチは今し方ドアに深々と刺さった包丁を怒りに任せてグイッと引き抜き、走っていった。その後から


ーーー(そこかぁー!!)(ギャァァー)
サッチの声ととばっちりを喰らったクルーの絶叫があちらこちらから挙がった。


やれやれだよい


溜め息を吐いてオヤジの部屋へと足を運ぶ。ーーーと、


サ「見つけたぞ!!エースっ。そんなとこに隠れていても無駄だ。」


エ「うげっ、見つかったー!!ちくしょー。フランスパンのくせにー。」

サ「誰がフランスパンだ!!覚悟しやがれっ」




エ「うおっ、あぶねぇっ。包丁に覇気纏わせんなよ!!」


サ「うるせぇ!!今日は1日飯抜きだ。」


これも、いつもどうりの光景だ。


しかし、そんな俺のささやかな日常はエースの一言によって砕かれた。



エ「げー、そりゃねーよっ………ん?なあサッチ、空から何か落ちて来てねぇか?」


サ「話をそらすんじゃねぇ!!だいたいお前はいつも………って本当だ!!おーい、マルコ。船の真上になにかおちてくるぞー。」


2人の言葉に空を仰ぐ、すると確かに何か落ちてきていた。


一体何だよい…


目を凝らしてみる。落ちてきているのは………


Σヒトだよい!!


気づいた時には船の甲板まであと100m、慌てて落下地点まで走り出した。


こりゃあ、ギリギリだよい!!


思いっきり腕を伸ばし、床を蹴る。


ヒュウウウウウウ


間に合えっ


ヒュゥゥゥーーフワッ


ズザザザザッ(←マルコ華麗なるスライディング)


ドサッ「うげっ!!」(その上に無事着地)


エ「うおおお、ナイス!!マルコッ」


サ「素晴らしいスライディングだぜ。」


エースとサッチがこっちに駆けてくる。


ちくしょう…空から降ってくるなんてどんな奴だぃ。


見てみると空から降ってきたのは20歳前後の少女だった。
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