愛されGirl
□9.お出かけ@
2ページ/7ページ
「なんか、まだ決まっていないみたいだったよ。テーマパークでもいいし、ショッピングでもいいしって」
「オフにただ思いっきり遊びたいってことか」
凛も席についてご飯を食べ始める。
「ショッピングだったら、最近出来たばかりのショッピングモール、気になっていたけど行けてなかったから行きたいなぁ」
「開店セールやってるしな」
大和が目玉焼きを突きながら言う。
「テーマパークだったら、やっぱりうさみみフレンズかな。私海外にいたから一度も行った事ないんだよね」
「あ、俺も全然行ってないなー。なあ、一織」
「…私は別に、興味ありませんけど」
三月に話を振られた一織はプイっとそっぽを向く。
その様子に大和は苦笑しながらも、「今あそこイベント中で、イベントグッズが人気らしいぞ」と言い、微かに一織の肩がぴくっとする。
「そうなんだ。大和詳しいね、女の子と行ったの?」
「はっ?行ってねーよ、んな時間ねえし」
「あ、そ」
「…聞いといてその反応かよ」
「はいはい、二人とも朝から痴話喧嘩はやめて下さいねー」
三月が二人に突っ込みを入れると、凛は「痴話喧嘩じゃない」と言い返し、テーブルに両肘をつきそこに顎を乗せる。
「なんか、話してたらうさみみフレンズ、行きたくなった」
「そこに行けばいいんじゃないんですか」
「あ、そうだね」
一織の言葉に凛はパッと顔を輝かせる。
そしてタブレット端末を取り出すと全員のスケジュールを確認する。
「私と陸君のオフが被っている日は…一週間後か。その日他に休みなのは…、MEZZO”の二人と和泉兄弟か。大和とナギ君は仕事だね」
「じゃあ、そのフレンズパーク行き、俺と一織も行っていい?」
「に、兄さん」
三月が嬉しそうに言う横で一織は慌てているが、凛はニッコリとする。
「もちろん。あでも、陸君に確認してからだけど」
「やった!一織ー、兄ちゃんと遊ぼうぜ」
「だから私はそんなところ興味が無いと…!」
和泉兄弟がわちゃわちゃしている中、凛は壮五を見る。
壮五も凛を見ており、目が合うと優しく微笑む。
壮五に微笑まれた瞬間、凛の心臓がドキッと大きな音で高鳴り、凛はギュッと胸を押さえる。
(な…なんだ、これ…)
凛は壮五と目を合わせていられず、たまらず目を逸らしてしまう。