愛されGirl
□6.押さえつける心
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「おーい、凛連れてきたぞー」
大和がそう言いながら部屋へ入ると、IDOLiSH7のメンバーが勢ぞろいしている様だった。
よくよく見回して見ると、モデルの撮影が入っているナギと付き添いの紡はいなかったが、それ以外は全員が揃っている。
「ば、万里さんまで……」
「あはは…皆に誘われて」
万里が苦笑しながらもちゃっかりテレビの前でスタンバイしており、凛は顔が引きつる。
(万里さん…姿が見えないと思ってたら…)
笑顔が笑顔ではなくなってきている凛の元に壮五が駆け寄ってくる。
その表情は暗い。
「ごめん、凛さん。こんな…凛さんからしたら冷やかしに取れる様な事はやめようって言ったんだけど…」
「壮五君」
まるで自分の事の様に告げる壮五に、凛は思わずキュンとする。
凛が壮五に何か言う前に、壮五の肩に大和がポンと手を置く。
「おいソウ、冷やかしじゃなくて凛の雄姿を拝む会だって、何度言えば分かるんだ?」
「大和は冷やかしが100%でしょ!」
「失敬な」
大和にプンスカしながらもテレビ前の床に座ると、隣に陸が座る。
「凛さん、もうすぐ番組始まるね!楽しみだなぁ」
「た、楽しみ…?」
陸の楽しみ発言に顔を引きつらせると、陸とは反対の隣に一織が座る。
「七瀬さんはあなたがテレビに映ることが純粋に嬉しいんですよ」
「はあ…」
「ほら、番組始まりましたよ」
番組が始まり、最初のうちはMEZZO”とTRIGGERのトークを皆で見る。
テレビに映る天の天使の様な言動に、皆苦笑する。
「…九条って本当に裏表のギャップ激しいよな」
「確かに…」
「天にい、本当にかっこいいな…」
「七瀬さんは裏も表も感じてないみたいですけどね」
「ははは…」
そうこうしているうちに、ついに例の場面がやってくる。
「凛さん、そろそろじゃないかな?」
隣の陸が嬉しそうに言い、凛は体育座りをしてだんだんと縮こまっていく。
「あ、プライベート写真コーナーになったぞ」
「出るぞ出るぞ」
「あぁ…やめて…お願い停電して…」
「あなたは何を言っているんですか…」
そしてついにBGMと共に凛がテレビに映った。