愛されGirl

□7.守りたい
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「や、八乙女さん…」




スタジオの入り口に立つ楽に、三人は驚きで目を見開く。



プロデューサーは引きつり笑いを浮かべる。





「あれ、八乙女君。ここで収録があったのかい?」

「まあな」

「何か…何か用かい」





プロデューサーが言うと、楽はゆっくりと三人に近づく。





「凛の様子がおかしかったから、ちょっと見張ってたんだよ」

「え…」




凛が驚いた声を出すと、楽は凛を見て優しく微笑む。


そして再度プロデューサーの方を見て、ゆっくりとケータイの画面を見せる。




「何だ……なっ、これは…」




プロデューサーは顔を青ざめさせて楽のケータイを掴もうとするが、楽にサッと交わされてしまう。


プロデューサーよりはるかに背が高い楽がケータイを上に上げてしまうと、プロデューサーの手はもう届かない。



慌てるプロデューサーの後ろで、凛と壮五は何が何だか分かっていなかった。





「八乙女君…返してくれ、いや、消してくれっ」

「…プロデューサーさんさ、今後もこの世界で生きていくんだよな」

「あ、ああ、そうだ」

「それなら、こんな事世間にバレたらもうやっていけないな」

「なっ…」




楽の目は鋭く、睨まれているプロデューサーだけでなくそれを見ていた凛も背筋がゾワッとする。





「お前なんかにこいつらの進む道の邪魔はさせねぇよ。この事をバラされたくなかったら、凛にも…凛んとこの事務所が抱えてるタレントにも、もう手出しすんな」

「…君は、誰に物を言っていると、」

「出来ねえって言うなら、うちの事務所もタダじゃおかない」





楽の言葉に、プロデューサーはグッと口をつぐむ。


楽はそれを冷たい目で見下ろすと、凛と壮五にツカツカと近づき二人の腕を掴む。





「あっ」

「行くぞ」

「八乙女さんっ」




そのまま二人を引きずるようにしてスタジオの入り口まで行くと、再度楽はプロデューサーを振り返る。





「変な気起こすなよ、プロデューサーさん。弱味握られてるのはあんたの方だからな」





そう言い捨てると楽は凛と壮五を連れてスタジオを出て行く。




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