愛されGirl
□5.爆弾発言
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MEZZO”のマネージャーになって数週間が経った。
やはりというべきか、凛は環の突拍子の無い行動や壮五の内に秘める性格と格闘していた。
「壮五君、環君!移動しますよ」
「はい」
「うす」
それでも懸命に二人を支えようとしていた。
この日MEZZO"の二人を連れてバラエティー番組の収録の為スタジオ入りをする。
タレントの私生活を暴いていく、というスタンスの番組で歌の収録は無い。
二人がメイクと着替えをする間、凛はプロデューサーに挨拶をしに行く。
「お疲れ様です、山野さん」
「ん?あー、凛ちゃん!」
大御所と言われるプロデューサーに挨拶に行くと、相手は凛にデレッとした顔を向ける。
このプロデューサーは、以前会った時から凛に馴れ馴れしかった。
「本日はうちのタレントを呼んで頂いてありがとうございます」
「こちらこそ、出演してくれて助かるよ」
「いえ、山野さんの番組ならいつでも出演させて頂きたいです」
「嬉しいなー、君のとこのタレント呼べば凛ちゃんに会えるし、本当一石二鳥だねぇ」
「あはは…」
凛は心の中ではその発言に腹が立っていたが、無理矢理笑顔を浮かべる。
「あの、それでは今日もよろしくお願いします」
「え、もう行っちゃう?」
「タレントが待っているので」
「つれないなぁ、凛ちゃんは。本当にかわいい」
「もう、お上手なんですから。あの、それでは」
こんな会話を無理矢理させられて、楽屋へ戻る道すがら凛はため息をつく。
MEZZO”の楽屋の前までくると、一応ノックをしてから部屋へ入る。