愛されGirl
□4.マネージャー
1ページ/7ページ
歓迎会兼親睦会が開かれてからは、またしばらく全員一日まるまるオフという日が無い日々が続いた。
凛も大分仕事を覚えてきていたが、紡とまだ共に行動していた。
この日も個々に仕事が入っているメンバーをそれぞれ見送り、心配なメンバーには付き添う事になっていた。
心配なメンバーと言えばナギと環なのだが、環はMEZZO"として壮五と一緒に今日も収録の為、自動的にナギに付き添う事になる。
「マネージャー、凛さん、行ってきます!」
「行ってきます」
「壮五さん、環さん、行ってらっしゃい」
「行ってらっしゃい」
壮五と環を見送ると、ソファでくつろぐナギを急き立てる。
「ナギさんも行きますよ!」
「OH、ノー!今紅茶飲んでます!」
「紅茶は置いて、ナギ君!」
ナギから紅茶を奪うと、三人で車まで向かう。
紡の運転で撮影スタジオまで向かう道すがら、凛はMEZZO"の後ろ姿を思い出していた。
◇◇◇◇
「ただいま戻りました」
「あ、お疲れ様凛ちゃん」
凛は一人事務所に戻って来ていた。
紡は「今のうちに夕飯の買い物に行ってくる!」と言って、凛を事務所前で降ろしてスーパーへと向かって行った。
事務室には万里が仕事をしていた。
「あれ、紡ちゃんは?」
「スーパーに行ってます」
「そっか、休憩もろくにとれないだろうから、隙間時間に行かないといけないんだね」
「万里さんこそ、休憩ちゃんと取ってくださいね?」
「ハハ、ありがとう」
「あの、万里さん。社長いますか?」
「あぁ、いると思うよ」
「ありがとうございます」
凛は机に荷物を置くと社長室へ向かい、ドアをノックする。
「どうぞ」
「失礼します…社長、お疲れ様です」
「あぁ、凛。お疲れ様」
社長はニッコリと微笑む。
「どうかしたかい」
「あの…お話しがあって」
凛は社長の机に歩み寄る。