恋と鬼退治
□友達
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あの合宿から2週間経ち、すっかり大井栄歌は七ヶ子と百化に溶け込ん...ではいないが、3人でいることが当たり前の風景になっていた。
百化は栄歌と一度も口を交したことは無いが、一緒に行動するようになって気がついたことがあった。
この女、意外に隙が無い。
入学時の実力テスト、上位10名と総得点の順位ボーダーが掲示板に小さくだが掲示されるのだが、
・・・ーーー特に興味は無いが七ヶ子と二人で見たので覚えていた。
栄歌は3番目だったのをたまたま覚えていた。
そして先週末の体力テスト、かなり運動神経が良かったのを覚えていた。
それに持ち物や動作を見る限り、経済的な面でも教育的な面でもかなり育ちが良さそうだった。
わざとらしい今時の言葉や自己主張も金持ちの家に生まれたことを隠しているように思えた。
なんだこいつ
、、ともんもんしている暇であふれていた。
七ヶ子は学校中ずっと栄歌にとられていて、百化は七ヶ子と二人きりの時以外は基本無口だった。七ヶ子もそれを知っているので特に話を振ることはなかった。
最後の授業が始まる少し前、七ヶ子のことを考えていると、その本人がやってきた。
「ねえ百化?今日の放課後は先に帰って待ってて」
なんだろう、と七々子の見つめてくる目にドキドキしながら名残惜しそうに返答した。
「分かった」
うんうんと七々子は頷くと、今日はハンバーグね、とニコニコしながら去っていくので可愛いなと思った。