恋と鬼退治

□合宿
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「さっこ〜ヒナ〜」

合宿二日目。
今日は丸一日つかって山登りだ。

昨日の今日で、泣いていた大井さんはすっかり錦堂さんや闌さんたちと仲良くなっていた。

山登りは一応班で行くことになってはいるけど、三人はさっさと前の方に行ってしまっていた。
樋方さんはどうやら他の班に仲のいい子がいるらしく、こちらもさっさと行ってしまった。

七々子と百化は左右をうろうろ寄り道しながら森林浴を楽しんでいた。

「小波さん…はぁ…かっこいい…」
「ね!今日も素敵すぎるよ〜」

前を歩いていた他のクラスの子たちがキャッキャッと騒いでいたので視線の先を見ると、あの藍色の髪の毛の女の子がいた。

「…七々子…もしかして気になる?」

「えっ」

気にならないと言えば嘘になる。

七々子はあれから小波さんの顔が頭からはなれなかった。

どうかしてしまったのだろうか。

百化は摘んだぜんまいを手に持ったまま少し考えると、よっこいしょと立ち上がりズカズカと歩き出した。

「ねーねー小波さんのどこがかっこいいの?」

突然話しかけられたクラスメイトは一瞬驚いたものの“よくぞ聞いてくれました”という顔をして語り出した。

「小波さんとは幼稚園の時から一緒なんだけどね!文武両道才色兼備で一見クールで物静かなんだけどたまに見せる笑みがね、たまんないんだよね〜」

「中学校の時の運動会も陸上部を抜いて三年間一位独走!」

「バスケもバレーも部活生より上手かったよね」

「あ、そうそう。こいつさーぁ、小学校の時に小波さんに告白して」

「えっへへ〜実はね〜」







ーーーーー「キスしてもらったんだ〜」
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