恋と鬼退治
□友達
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ザーという一定音が途切れることなく教室や廊下に平等に響いている。
梅雨入り、
あの合宿から一週間経った。
七々子たちのクラスでは、それぞれのグループで教室のあちこちに島をつくっていた。
「七々子トイレ??私もついてくー」
なぜなのだろうか???
なぜなのか???
と百化は眉間にぐりぐりとシワをよせたりのばしたりして声の主を見ていた。
七々子もとくに拒否せずに接している。
アゴを支えていた右手がボーッと眺めすぎたせいで肘からガクッと机をはみだす。
左子とヒナギクに愛想をつかされた(無視され続けた)大井栄歌は気がついたら(百化曰く)私の七々子にビタァっとくっついていた。
中学の時もそういう経験はあったが、大体百化の容姿や存在にビビって近づいてこなくなるのがいつものことであった。
しかしこの女はまるで最初から自分だけのもののように七々子にびたびたとくっついては全く離れなかった。
思い切り息を吸い込み、少し溜めてから「はぁーー」と大きく息を吐いた。
“ク ○ 女 め”
、
ダメだダメだ。
百化は我に返る。
過去に同じようなことがあって、相手を脅しすぎて七々子に1ヶ月口を聞いてもらえなかったことがある。
「(どうしたもんか)」