刀剣乱舞

□蛍丸、参上。
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堀川視点

『阿蘇神社にあった蛍丸でーす。じゃーん。真打ち登場ってね』


そう言って現れてしまった蛍丸に、主は抱きついた。


「蛍丸だ!ずっと待ってたんだよ!!!」


嬉しそうに、幸せそうに。


ああ、これでまた、被害者が増えた。


かわいそうな蛍丸さん。


こんな審神者のところに顕現するなんて。


僕は、堀川国広。


今日の主の近侍だ。


主は、幼い子供が好きらしく、短刀と脇差ばかりを育て、集めていた。


「さ、広間に行こっか!みんなに挨拶しようね!国広、みんなを集めてくれる?」


「はい、主」


各自の部屋に、広間に集まるように言いに行く。


ここの刀剣たちは少ないから、すぐに終わる。


最後の部屋だった、今剣くんと乱くんの二人と一緒に、僕は広間へ向かった。


「国広、きょうあたらしくきたというひとは、短刀ですか?脇差ですか?」


そう言って訪ねてきたのは、今剣。


ここに来てあまり長くなく、割と遠慮がない子だ。


「大太刀だよ。」


「大太刀っ!?ということは、…」


少しホッとしたような表情で乱が顔を上げる。


その顔は疲れきっている。


「…急ごう」


広間には既に全員揃っていた。


僕らが座ると、蛍丸の挨拶が始まった。


『はじめまして。阿蘇神社にあった蛍丸でーす。よろしくね。』


そう言って笑う彼の表情は、僕らみたいには穢れていない。


貼り付けた、無理やりの笑顔じゃなくて。


純粋な心からの笑顔を見て、なんだか、苦しくなった。
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