短編

□夏輝BD2018
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『あの……夏輝さん、
お誕生日に欲しいものって何かありますか?』

JADEの楽屋に遊びにきていた彼女が
少し恥ずかしそうに、俺に聞いてきた。
そうか、もう誕生日だったか。

オトコが誕生日に欲しいものなんて、
そんなの好きな子からのチューしかないよな?夏輝』
なんで冬馬が答えてるんだよ。
彼女は俺に聞いてるって言うのに。
しかもそれ、セクハラじゃないのか?

『うるさい冬馬の事は置いといて……
その気持ちだけで嬉しいから、
別に気を使わなくていいよ』

それは本当の気持ち。
彼女が俺を祝おうとしてくれるだけで嬉しい。
それなのに……

『……そうですか。
ごめんなさい、変な事を聞いてしまって』

少し困ったように笑う彼女は
もう時間だから、と
そのまま自分の楽屋へと戻っていった。

『おいおい夏輝〜、
なんで正直に言わねえの?』
『だな。あれはきっと勘違いしてるわ』
冬馬と秋羅が寄ってたかって
俺を攻めて来る。
何なんだよ。
『……自分の気持ちくらい、しっかり伝えたらどうだ』

春までそんな事を言うのかよ。

『だから、別に気を使わなくていいって
伝えたじゃないか。
それのどこがダメなんだ?』
『『『それがダメなんだ』』』
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