リク込み長編
□ロウソクの灯(アカシ・第1章
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《醜くい先輩》
「あいつらはあたしと、仲良し、ってところを見せつけたかったんやろ」
そう言って遥香の頭にぽんっと手が置かれた
「あたしが信じてんのは遥香だけや。遥香だけが友達や」
にっと笑った顔は遥香の複雑な表情を一気に吹き飛ばした
「あ、ありがと・・・」
別に由依は、友達がいない訳ではない
ただ由依が受け入れないのだ。
由依はバスケで、全国大会にでるほどの実力の持ち主。
その肩書きを狙い、近付いてくる尻軽に飽き飽きしていた。
対して仲良くもなかった、裏で遥香の悪口を言っていた
なのに私が全国大会で準優勝をしてきたらこれだ。
デレデレと愛想を振りまき邪魔そうに遥香を睨みつける
そんな友情ごっこに呆れを抱いていた。
でも遥香は違う。
小学校の頃から由依と共に育ち、何があっても由依のそばで支え続けていた。
そんな由依が信じてるのは遥香だけで、いじめの経験がある遥香も信じているのは由依だけ。
お互いの絆がお互いを引きつけ、その縄がちぎれる訳でもなくだんだんと太くなっていく。
「ねえ、由依。クラスみておかない?」
遥香の一言に暗かった由依の顔がふんわりと暖かくなった
「一緒やったらええな」
8組中の1の確率。
由依と遥香の友情はこんな奇跡さえも起こしてしまうのか??