リクエスト作品

□先生です
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南那side

「あ、あのさ・・・」

壁に背をつけて明らか私に警戒心を出している涼香先輩

そりゃ、警戒するよね・・・

ふたりっきりの部室、なぜか閉められる金属製の鍵

これから良くないことが起こるのは、もう目に見えていた。

「はい?」

1歩近付けばこれ以上下がれないのに後ずさりしようとする

こんなの、なんの役にもたたない抵抗なのにさ

「そ、そこどいてくれないかな」

「どうしてです?」

首を傾げれば、顔をひきつらせて、頬を不自然に引き上がらせる

「と、通りたいから。もうすぐ練習始まるでしょ?」

そう言って無理矢理私を押し通そうとするから・・・

ドンッとロッカーに手を叩きつけたらビクッと怯えた顔をする

背がちっちゃいだけに小動物みたいで可愛い・・・

まん丸と見開かれた瞳は、いったいどんな私を映してるんだろう

きっと悪い目をしてるんだ。だってこんなに楽しいこと他にはないでしょ?

「な、な何するの」

ぐっと距離を縮めれば綺麗な眼に涙が溜まってくる

弱虫で臆病で背が低い、こんなの年下にしか見えないよね・・・

「黙ってれば終わりますって・・・」

有無言わさず、軽く唇を重ねると涼香先輩の眼からひとつぶの涙が流れ落ちた

そんなに嫌だったのかな

自分からしたくせに落ち込んでしまうのが私のくせ。

「ご、ごめんなさい・・・」

なぜか何も言ってくれなくて

でも私から離れようとしない

何考えてんのか分かんないよ・・・

「だ、いじょうぶ・・・」

その『大丈夫』はどんな意味なんですか?

変に・・・


期待させないでくださいよ・・・

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