リクエスト作品

□誰もいないし
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ヨガside

「っ、おはようございます・・・」

ソルトさんがこんな朝早くに部室にきたのははじめての事だった

「あぁ・・・はよ・・・」

眠そうに目を片目だけこすったあと、部室を見渡し始めた

そしてキョロキョロとあたりを伺ったあと私の顔をじーっと見つめてきた

「誰もいませんよ」

ソルトさんが、何を言いたいのかは分かってるけどあえて知らないフリをする

だって・・・可愛いじゃん

こんな遥香。

「あのさ・・・ヨガ・・・」

スカートのはしをぎゅっと握りしめて上目遣いで睨むように私の目を見つめてくる

「なんですか」

気付いてるけど・・・両目を固くとじてヨガのポーズを形にした

本当はこの先が気になって邪念が渦を巻いてるけど・・・

今この時点で気にするなと言う方が無理でしょ

「私・・・もう・・・」

そうとだけ言ってソルトさんの体が私の体を包み込んだ

両手が首筋にまきついて、胸元に頭をグリグリと押し付けてくる

「いじわる・・・」

何か言い返そうとした、唇は一瞬にして閉ざされた

普段はクールで寝てばっかなくせに本当はこんなに甘えん坊で・・・

「キスしていいなんて言ってないよ」

「だって・・・ヨガが・・・」

そう、こんなにもソルトさんが乱れてるのは紛れもなく私のせい

確か・・・もうひと月・・・、二月ほどはソルトさんに「おあずけ」の命令をだしていた

キスも夜も触れるのもダメ

そんな中でソルトさんの感情が爆発してしまったみたい。

「じゃああと何ヶ月、おあずけ期間伸ばそっかな」

冗談っぽく棒読みで言ったらソルトさんの顔が泣きそうな悲しそうな顔に変わった

「ヨガぁ・・・」

ウルウルと涙がたまった瞳の筋に口付けをそっとした

「かーわいい」

ふふっと笑えば恥ずかしそうにうつむく

こんなソルトさんの姿、いったい誰が想像するだろう

私の前では・・・デレデレの、ただの女子高生なんだから。

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